県劇人
Vol.22 
亀井 純太郎/かめい じゅんたろう
(劇団「第七インターチェンジ」 代表)
 スポットライトを浴びる主役の陰で、舞台袖や楽屋を走り回るスタッフたち。これらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載しています。

亀井 純太郎(劇団「第七インターチェンジ」 代表)
今年で4回目を迎える「熊本リージョナルシアター」。前回に引き続き、戯曲講座の最優秀作品を県内の演劇人による合同公演で上演しますが、今回の作品「リンコのうた」を演出する亀井純太郎さんにお話しを伺いました。

第七インターチェンジでは、ご自分で作・演出をなさっていますが、他の方の台本を演出されることも多いのですか?
 自分で本を書くようになったのは6〜7年前からで、それまでは別役実さんの作品を演出していました。昨年2月には別役さんの作品を、8月には市民会館の自主事業で学校の先生の作品を演出しており、最近なぜかこういう機会をいただいています。

今回の作品は、どういったコンセプトで演出なさいますか?
 作品は、昭和48年の設定となっていますが、ことさら「昭和風」の色を出して昔を懐かしむだけで終わるのではなく、過去を受け継ぎながら、未来に向かっていく力を生むような作品にしたいと考えています。

演出家として作品に関わるうえでのご苦労についてお聞かせください。
 自分の言葉ではない言葉を取り扱うわけですから、演出に合わせて途中で作品を書き換えることもできないし、自作を演出するとき以上に慎重に読み込まないといけません。どうしてもイメージがつかめないシーンがあったりして苦労することもありますが、反面そこが面白いところでもあります。

お客様にはどんなところを観て欲しいですか?
 今回の作品では、大洋デパートや貸本屋といった35年前の生活が描かれています。高校生など若い人たちが、その時代の熊本の人たちの生活に目を向けるきっかけになってくれたらと思います。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.94より

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