第161回「ロータリークラブ記念式典で演奏!の巻」その1 [2006.6.13]
 私が所属している某ロータリークラブが今年創立30周年を迎えました。その記念式典は1年以上前から実行委員会が組織され、着々と準備が進められていました。出席者は外部の招待者や海外からのお客様を含めて300人以上。10年に一度の式典です。
 式典当日まであと1ヶ月ちょっとに迫ったある日。いつもの例会に行くと、祝賀会の委員長が私に声を掛けてきました。
「祝賀会のアトラクションだけど、あなたに頼むことに決まったから。」
「えっ?決まったって…。私が何すればいいんですか?」
「ほら、ピアノ弾いて、本の紹介とかして…」
「えーっ!ピアノ弾いて…とか言われても。式典の祝賀会で、私じゃ場が持たないですよ!」
「知り合いで楽器やる人とかいるでしょ。そんな人たち連れてきてもいいから。」
……そう簡単に言われても。もうあと1ヶ月しかないよ〜。

 1年も前から準備してるのに、何で今頃!?半年か、少なくとも3ヶ月くらい前には言ってほしいなあ。私にも心の準備ってものがあるし。色々な人に頼んでステージを組み立てるにしても、時間なさ過ぎ!

「お願いしますよ!」
 委員長にそう言われて何となくそんなことになってしまったみたいだけど!やばいなぁ…どうしよう。

●困った その1
 とにかく時間がない。1ヶ月あるといっても実はその間にゴールデンウィークが挟まってる。この連休は実は私は次の本の原稿書きに全部費やす予定なのだ!
● 困った その2
 誰か頼んで連れてくる、といってもまずはアトラクションの時間をどんなコンセプトにするのか決めないことには誰に頼みようもない。友達同士のパーティーじゃないんだから、ただ誰かが来て何か演奏しても薄っぺらなものにしかならんだろうなぁ。
●困った その3
 誰かを頼んで来てもらうとしたら、一緒に合わせる練習をしなくちゃいかんよなぁ。最近はほとんどセッションやってないので、こりゃ、まず私が相当練習しないと話しにならない。一緒に合わせる練習もお互いに時間を調整して何回かやらないと。当日までの日程を見ると、それはまずムリだ。
●困った その4
 だからといって、私だけのピアノオンステージじゃ、もっとムリでしょ!

 この降って湧いたような難問。さて、どうしましょ。
 とりあえず日常に追われてバタバタしているうちに、1日1日と当日までのカウントダウンは進んでいくのであります。

はて……。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 先日は仕事で牛の撮影に行ってきました。熊本市の郊外の泗水(しすい)という所。カメラマン、県庁の畜産担当の方、それにJAの方と落ち合って牛の肥育農家へ。
 広い敷地に畜舎が並んで、たくさんの牛がいました。熊本はあか牛が有名ですが、その日の撮影は黒毛和牛。まだ9ヶ月程度の子牛から、20ヶ月を越して大きく育った牛まで、狭い畜舎の中で飼料を食んだり寝そべったり。
 一見みんな同じに見える牛の顔も、1頭1頭違うんだとか。確かに近くでよく見てみるとそれぞれに違いが分かるような気がします。2年も飼っていると愛情も出てくるでしょうね。
 「この柵の中のは今月出荷です。」
という説明を聞いて、何だか複雑な気持になりました。
−an 弾手−


第162回「ロータリークラブ記念式典で演奏!の巻」その2 [2006.6.20]
 突然、ロータリークラブの創立30周年記念式典祝賀会でアトラクションをやるように指名されてしまいました。どうしよう。何も構想がまとまらないまま、とりあえずゴールデンウィークに突入です。この連休は私にとってドレミ楽譜出版社の次の企画「お父さんのためのピアノ曲集」の原稿を何が何でも仕上げなければいけない「勝負の連休」。あれこれ考えてもしょうがないので、ロータリーのことはとりあえず頭のよこっちょに押しやって、とにかく原稿書きに専念です。(GWの顛末は第160回をご参照あれ)

 で、連休も何とか終了!とたんに式典の当日が目の前に迫ってきます。もう待ったなし。とにかく何か始めないと。
 当日のプログラムを見せてもらいます。祝賀会は開会挨拶、乾杯のあと、アトラクションとだけ書いてある。ふむ、ここで何かやらなくちゃいかんのか。
 ん?見ると開会の前にNHK熊本児童合唱団って書いてあるぞ。お客様の入場の時にウェルカムミュージックというか、児童合唱団のコーラスがあるらしい。指揮はY.K先生。ほう、Y.K先生なら知ってるぞ!ご夫妻で声楽家の先生。ロータリーにも色々ご縁が深いと聞いたことがある。よし!Y.K先生にお願いしよう!なんとかなりそうだ!

 アトラクションの構想はこうです。
 司会者の紹介でまず私がステージに上がり簡単な自己紹介のあとピアノを数曲弾く。
 それから
「本日は先ほど素晴らしい歌声を聴かせていただいた児童合唱団の指揮でY.K先生がお見えです。ぜひ先生にもお手伝いいただきたいと思います。」
 とか何とか言って先生にステージに上がっていただいて何曲か私の伴奏で歌っていただく。
 と、まあ、それで何とか格好が付くだろう、か、なぁ?

 とは言っても、まずは肝心のY.K先生のご了解を頂かなくちゃいけないし、それから何を歌っていただくか決めて、私が伴奏の練習をして、先生と合わせる練習もしなくっちゃいかん。
 まだまだ難問は山積です。

 まずは、先生のご了解。これは祝賀委員長の方から連絡していただいてOKが出ました。
 「先生はOKだそうだから、後は直接連絡して打ち合わせしておいてください。」
 と委員長。なんか丸投げだなぁ。
 先生に連絡を取り、ご自宅へ打ち合わせに出かけたのが本番2週間前。とにかく何を歌っていただくか決めないことには練習も出来ません。

 打ち合わせに行く前に自分なりに大体の構想を考えました。
 コンセプトはアットホームな手作りのおもてなし。って言うと聞こえはいいけど、素人ピアニストの言い訳?まっ、いいか。
 当日は韓国のロータリークラブから40人ほどご出席の予定。だからまず最初に韓国の方に敬意を表して韓国の曲をやろうかな。簡単に弾けそうで誰でも知っていそうな曲…アリラン!
 それから私のピアノソロは今さら練習しなくてもとりあえず格好が付くものにしておこう。(これ、自分の都合ね。おそらく先生の伴奏の練習を優先しなくちゃいけないので、自分のソロの練習をしているヒマはないぞ!…ダニーボーイと誰もいない海←次の曲集に入れた曲)
 先生に歌っていただく曲も伴奏しやすい曲にしよう。ゆったりした日本の叙情歌なんかどうかなぁ。韓国民謡と日本の叙情歌。うん、なんか合いそうだ。

 先生もお忙しいので、週末の夜8時に約束。教えていただいた場所を頼りに先生のご自宅へ車を走らせます。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 サッカー・ワールドカップ。クロアチア戦。サッカーのことはあんまり分からない私も、やっぱり気になる。一応世間に乗り遅れないよう、日曜の夜はテレビ観戦と相成りました。
 点が入りそうで入らない。思わず体のあちこちに力が入ってしまいます。お疲れ様の90分。もうひとつスッキリしないまま終わってしまいましたが、第3戦にわずかな可能性はつないだのかな。次は確か深夜(というか明け方)でしたよね。リアルタイムでは見れないなあ。朝起きたら結果が出てるのか。野球のワールドクラシックの例もあるし、ここまで来たらわずかな可能性にも期待したいものです。
 (って言うか、このコラムを読まれるほとんどの方は、もう結果が出た後かも、ですね。)
−an 弾手−


第163回「ロータリークラブ記念式典で演奏!の巻」その3 [2006.6.27]
 記念式典祝賀会のアトラクションのご相談に、声楽家の先生のお宅をご訪問。
 ご夫妻そろって迎えていただきました。玄関を入ると廊下の一角にいきなりアップライトピアノ。
「ここで歌のレッスンやるんですよ。」
 と言ってバラバラーッと鳴らしてくださいます。
 さらに部屋に入ると、ドーンドーンとグランドピアノが2台!
 壁にいっぱい貼ってある先生のリサイタルのポスターやレッスン生たちの発表会の写真。
 「ほら、この子がNHKの歌のお姉さんで売り出した茂森あゆみさん。」
 「ひえっ、彼女、先生のレッスン生だったんですか!」
 なんて、ひとしきり盛り上がってからいよいよ本題。

 「最初にアリランやろうと思うんですけど。」
 「おっ、いいじゃない。」
 「ちょっとコード書いてきましたので弾いてみていいですか。」
 そう言って、グランドピアノの前に座らせていただき、少し練習してきたアリランを弾いてみます。実はこの曲、楽譜がなかったのでネットで音を探して耳コピー、リードシートに起こしてきたのでした。弾き始めたら先生、なんと原語で歌いだした!ほんとはこれ、ピアノソロで弾くつもりだったんですが、先生はすっかり歌う気らしい。急遽伴奏に変更です。
 「4小節イントロ弾きますから入ってもらっていいですか。えーっと、2コーラスの後に8小節間奏を弾きますから続いてサビから入っていただけますか。」
 なんて、ずうずうしく先生にお願い。うん、何とかいけそうだ。
 と、思っていたら
 「ちょっと代わってもらっていい?」
 と先生。ピアノの前に座ると、
 「例えばこんな風に…」
 と弾き始めた!えーっ、カッコイイ!
 「ほら、この辺もっとどんどん突っ込んで!」
 さっき自分が弾いていたピアノがたちまちみすぼらしく思えてきたぁ!
 先生、コードだけでガンガン弾いていく!
 「はい、弾いてみて!」
 「……」
 うーん、先生、恥ずかしくて弾けないです。
 「すみません。また練習しておきます…」
 アリランですっかりショックを受けてしまった私。
 でも、今日は他の曲を決めておかないと。
 「とりあえず他の曲を決めてしまいましょう。日本の叙情歌なんかどうですか。」
 「いいですね。」
 曲集をぱらぱらめくりながら探していきます。
 「浜辺の歌?宵待草もいいですよね。」
 「楽譜ありますよ。コピーしますね。」
 先生がピアノ伴奏の楽譜を出してきてコピーしてくれます。
 しかし、見ると浜辺の歌は♭が4つ!A♭。宵待草は♭が3つ!Cm。
 「えーっと、はい、…練習しときます。」
 「次はいつ来れますか?」
 「そうですね…、じゃ来週の日曜日に。」

 来週日曜はもう本番1週間前だ!大変なことになった!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 an弾手から、お詫びとお願い!

 実は、私がメールの送受信に使っていたパソコンのハードディスクが、突然ガリガリと異様な音を発してクラッシュしてしまいました。そして、これまでにan弾手宛てに頂いたメールと皆様の貴重なアドレスが読めなくなってしまいました。大変申し訳ありません。 
バックアップを取っていなかったために、現状では私の方から皆様へメールを送ることが出来なくなりました。
 そこでお願いです。これまで私宛にメールを頂いた方、よろしければ再度メールをお送りいただけませんでしょうか。空メールでも結構ですが、出来ればひと言簡単に近況でもお書きいただければ大変嬉しいです。今後、an弾手からのお便りなど、皆様との大切なつながりを続けさせていただくためのアドレス帳をなんとか復活させたいと思います。
勝手なお願いで大変申し訳ありませんが何卒よろしくお願い申し上げます。

an弾手のアドレスはこちらです。
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
−an 弾手−


第164回「某喫茶店の20周年祝賀会で急遽演奏?」その1 [2006.7.4]
 ロータリークラブの創立30周年記念式典でのアトラクションのピアノを頼まれて、声楽家の先生へお手伝いを頼みに行ったのが本番2週間前。歌っていただく曲を決め、伴奏用の楽譜を渡されて、実際に先生と音合わせの約束をしたのがそれから1週間後の日曜日。

 自分のピアノソロだけだったら、トチっても自分が恥をかくだけだけど、先生の歌の伴奏となるとそんな訳にはいきません。プロの先生にご迷惑を掛けないようにしないといけない。これはプレッシャーです。次に音合わせに行くまでの1週間の間に伴奏の練習をしておかねば、と思いながら3日ほど過ぎた水曜日。会社に電話がありました。いつもランチを食べに行く喫茶店のママです。
「今度の20周年記念の祝賀会だけど、ピアノ弾いてくれない?」
「えっ、祝賀会って、今度の日曜日のやつですか?」
 実はその週の日曜日、その喫茶店の20周年記念祝賀会が予定されていたのです。以前、クリスマスパーティーでピアノを弾いた、あの喫茶店です。
「えーっ、ピアノ弾いてくれない?って、あと3日しかないよ!」
「ええ、だから、何かすぐ弾けそうなやつでいいから。お客さんの入場の時に15分くらいずーっとBGMで弾いといてほしいのよ。そして、みんな着席したところで続いて1〜2曲弾いてくれればいいんだけど。」
「えっ、15分もずーっと弾いとくの!?」
「今ね、司会の人と打ち合わせしてるのよ。急なお願いだから無理だったらしょうがないけど。出来そうだったらお願いしたいのよね〜。」

 何とまあ、こっちはロータリークラブの演奏で頭が一杯だっていうのに!
 今度の日曜日っていえば、先生のところに音合わせにいく日だぞ。まあ、先生のほうは昼間だから時間はバッティングしないけど。それまでに伴奏のピアノの方を、しっかり練習しておかなくちゃいかんのだぁ!

「急なお願いだから、ほんとに無理しなくてもいいわよ。」
 無理しなくても、って。3日前に電話してきて、それは無理な注文でしょ!
 …と、内心思いながら、口から出た言葉。
「何とかしましょう。」
 えっ、何とかしましょ、って?
 自分で言っておきながら、その言葉に自分でびっくりしました。
「よかった!ありがとう。じゃ、当日は少し早めに来て司会の人と打ち合わせしといてね。」
 受話器を置いて、ふっ、とため息。おいおい、お前大丈夫か?
 …大丈夫かって言われても。もう約束しちゃったから仕方ないし。何とかせねば。

 何とかせねば、って、何とかなるのかなぁ…。

(続く→随時更新)

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 an弾手から、お詫びとお願い!

  実は、私がメールの送受信に使っていたパソコンのハードディスクが、突然ガリガリと異様な音を発してクラッシュしてしまいました。そして、これまでにan弾手宛てに頂いたメールと皆様の貴重なアドレスが読めなくなってしまいました。大変申し訳ありません。 
 バックアップを取っていなかったために、現状では私の方から皆様へメールを送ることが出来なくなりました。
  そこでお願いです。これまで私宛にメールを頂いた方、よろしければ再度メールをお送りいただけませんでしょうか。空メールでも結構ですが、出来ればひと言簡単に近況でもお書きいただければ大変嬉しいです。今後、an弾手からのお便りなど、皆様との大切なつながりを続けさせていただくためのアドレス帳をなんとか復活させたいと思います。
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第165回「某喫茶店の20周年祝賀会で急遽演奏?」その2 [2006.7.11]
 さてさて、とんでもないことになっちゃった!
 ロータリークラブの記念式典での演奏準備で頭が一杯になっているところに、突然喫茶店のママからその喫茶店の20周年祝賀会での演奏の依頼。それも本番3日前!お客さんの入場の時に15分くらいずーっとBGM弾いてくれだって!
 何となく引き受けてしまったけど、どうしようかなあ。

 とにかく、ロータリークラブの記念式典の準備が優先(プロの声楽家の伴奏しなくちゃいけないから)なので、喫茶店の方は極力準備をしなくてすむようにする作戦を立てます。
 お客さんの入場の時の15分間のBGM。まともに曲を弾くとしたら5〜6曲以上は完璧にメドレーできるようにしておかないといけない。それも会場の雰囲気に合った曲をBGMっぽいアレンジで。準備無しにいきなり本番でこれをやるのは無理です!ここはやっぱり循環コードを使ったアドリブで15分間、何とか音をつないでいくしかないでしょ!それなら準備無しのぶっつけ本番でも何とかなるかなぁ。その後のピアノソロ1〜2曲はロータリークラブの式典で弾く曲と兼ねてしまえばこれもこっち用にことさら準備の必要も無しっ!
 やっぱりこんな時は、循環コードサマサマです。

 ところで、循環コードって何?って言われる方のために、ここで簡単にご説明しておきましょう。
 既によくご存知の方はごめんなさい。

 コードは、それ単体ではあまり意味がありません。曲の中で、時間の進行に沿っていくつかのコードがつながった時、その前後のコードの関係の中で初めて意味を持ってきます(もちろん、その曲のKey、つまり調、によって同じコードでも働きが違いますが…)。このコードの並びのことをコード進行といいます。そして、このコード進行には、その曲のトニックコードから始まっていくつかのコード進行を経て、再びトニックコードに戻るという、お決まりのパターンが色々あります。これらを循環コードといいます(なんか、訳ワカラン説明ですねぇ、うーむ…)。
 まあ、とにかく、この循環コードを使いながら、好きなリズム(4拍子とか、3拍子とか、あるいはルバート=リズム感を無くした弾き方、とか)で、適当に和音にしたり、アルペジオにしたり、所々半音のアプローチを混ぜたりしながら音を出していくと、何となくそれらしいBGMに聴こえたりするモンです。

 何のこっちゃ。えー、中途半端なコード奏法講座?は、いい加減にして話を戻しましょう。まあ、準備はしないっ!とは言っても、コード進行の構想くらいは確認しておかないとですね。15分間ずーっと同じKeyのコード進行ではさすがに間が持ちそうもないので簡単な4〜5種くらいのKeyをとっかえひっかえ使うことにします。例えばC、G、F、Am、Em、Dmなど。ひとつのKeyで3分くらい持たせるつもりで弾けば15分くらいは大丈夫だろう…。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 蒸し暑い日が続きますね。この前の土曜日、熊本は36度まで上がってこの夏一番の暑さだったとか。
 その夜、室内の電気を全部消してベランダのサッシを開け放ち、ウッドデッキに足を投げ出して風に吹かれてみました。見上げると薄雲の向こうにお月様。優しい風も流れてきます。
 ふと気が付くと、2〜3メートル先のデッキの陰からじっとこちらを見つめる目。かわいい子猫です。ほのかな月明かりの中でしきりにこちらを伺うように、くーっと背を伸ばしてみたり、体を左右に振ってみたり。私は彼(彼女?)を驚かさないように、じっと身動きせずにそのしなやかでユーモラスな仕草を見ていました。しばしのサイレントムービー。やがてそのシルエットは、ふっと音もなくベランダの向こうに消えていきました。
−an 弾手−


第166回「某喫茶店の20周年祝賀会で急遽演奏?」その3 [2006.7.18]
 …そして、当日。
 昼間はロータリークラブの記念式典のアトラクションにお願いした声楽家の先生のご自宅で音合わせ。(この話はまた別に書きます)
 それが終わると一旦家に戻り、やっと今夜の喫茶店の20周年祝賀会に向けた心の準備です。小1時間ほどコード進行とアドリブ弾きの確認をして、シャワーでも浴びて、っと。

 午後7時開宴で15分前からBGMピアノを弾くように言われているので、6時ちょっと過ぎに会場に着いたら、ドレスアップしたママがいた。
 「司会の人が1階ロビーにいるから、しっかり打ち合わせといてね。」
 どんな打ち合わせをするんだろう、と思いながら1階に下りてみます。喫茶コーナーにそれらしい女性。くまもとシティFMでパーソナリティーをやっている人らしい。
 「はじめまして、ピアノを弾くように言われてます○○です。」
 と、まずはごあいさつ。
 打ち合わせの内容は

・開宴15分前からお客さんに入場してもらうので、その時ピアノを弾いていてほしい。
・お客さんがほぼ着席した段階で司会者がこの喫茶店の20年の歩みなどの紹介を始めるので、バックでずーっと弾いておいてほしい。
・続いてピアニスト(私のこと?)の紹介を始めるので、そのタイミングでBGMを終了してほしい。
・それから、「ではここで1曲弾いていただきましょう。」とアナウンスするから何か1曲弾いてほしい。
・以上!

 ということでした。
 なるほど。ソロピアノはすぐ弾けそうな曲で「ダニーボーイ」と「誰もいない海」を考えていたので、どちらかといえば弾き栄えのする「誰もいない海」を弾くことにしよう。
 しかし、私はそんな打ち合わせより、早く会場をのぞいてピアノの試し弾きをしときたいんだよなあ。

 「では、よろしく。」と挨拶もそこそこに、2階の会場に上がってみます。
 会場に入ってみると、おっ、広い!宴会用の丸テーブルが約20台ほど。テーブル一つに10人掛けるとすると約200人かぁ。そのテーブルの間を縫ってホテルのスタッフがあわただしく最後のチェックの真っ最中だ。  ピアノは正面のステージの左。さっそく音を出してみます。なんか、音が聴きずらいなぁ。音響卓のスタッフのところに行って、本番と同じ音響にしてもらいます。自分が弾いている音が頭の上のスピーカーからしっかり響いてきてとても弾きやすくなりました。それから照明。これも結構重要です。眩し過ぎても暗すぎても弾きにくいものです。聞くと、BGMの時と、1曲ソロピアノ弾く時では照明が変わるらしい。両方の照明状態をやってもらいます。ソロの時のスポットが眩し過ぎ!少し弱くしてもらいます。うん、こんなもんかなあ。と、いうところで、コード進行の確認と「誰もいない海」の出だしを少し弾いてみてとりあえずピアノを離れます。

 だんだん緊張してきました。緊張してくるとトイレに行きたくなるんですよね。トイレでスッキリして、髪に櫛を入れて、ネクタイの曲がりをチェックして、と。
 もう一度会場に戻ると、お、入場開始までもう10分切ってる。早々とピアノの前に掛けてスタンバイです。やがてホテルのチーフらしい人が会場内で準備しているスタッフに声を掛けます。
 「はーい!そろそろ時間で〜す。あと1分でドアを開けま〜す!スタンバイお願いしま〜す!」
コンパニオンのお姉さんたちが入口付近に整列します。

 遂にドアが開きました!ロビーで待機していたお客さん達がウェルカムドリンクのグラスを手に、ゾロゾロっと入り始めるのを見て、私はピアノを弾き始めました。まずはKey=Cから。適当に循環コードを回しながらあまりメロディー感の無いフレーズを弾いていきます。会場内はやや薄暗く、ピアノはBGMなので客席からはあまり目立たない照明になっていて、こちらを注目するお客さんもいないみたい。さっきまで緊張していたのが嘘のように、落ち着いている自分に自分でびっくりです。頃合を見ながらKeyをマイナーにしたり、メジャーにしたりして変化を付けてみます。

 やがて司会者席にスポットが当たり、MCが始まりました。この喫茶店の20年の歩みの紹介と、これまでご支援いただいた皆様への感謝の言葉が、薄暗く照明を落とした会場に淡々と流れていきます。さすがFM局のパーソナリティー。なかなかの雰囲気です。
 一方、ピアノのBGMも、そのパーソナリティーのきれいな声とうまく絡むと、なかなかよい雰囲気です(って、自分で言うのも変なんですが、こんな風にプロのナレーションと合わせてピアノを弾いたことがなかったもので、弾きながら勝手に感動してしまいましたぁ!←ナルシストか、お前は!)。
 で、ふと気が付くと司会者がしきりにこちらを見ています。いけないっ!いつのまにかピアニストの紹介に入ってた!BGMを切り上げるタイミング過ぎてる!と言っても循環コードを弾いている時、いきなりブチッと止めるわけにはいかんのです。一旦ドミナントコードに進んでそれからトニックで締めくくらないと。

 …ふっ、なんとか終了。次はピアノソロだ。
 照明が変わり、ピアノにスポットがきました。「誰もいない海」を弾き始めます。お客さんの席は逆光でよく見えませんがそれがかえってみんなに注目されている感じで落ち着きません。さっきまでの落ち着きがいき なりどっかへ吹っ飛んだぞ!

 …やっぱり、間違ったぁ!いつもは間違わないようなところなんだけどなぁ。しかし、人前ピアノの最低条件、止まらない、弾き直さない、は何とかクリア。失敗からコンマ何秒で立ち直れるかが勝負なのだ!瞬時に気持ちを切り替えて強引に弾き続けます。最後まで鍵盤に指が馴染まない感じだったけど、ミスは1回だけで何とかエンディングまでたどり着きましたぁ!

一礼して自分の席に戻ります。さあ、今から自分もお客さんだぞ。リラックスして飲み食いさせてもらいまし ょ。乾杯ビール、うまいかな。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 先日、ある楽器店のピアノ講師の先生方のコンサートがありました。
 社長さんから「ぜひ聴きに来てください」とチケットを頂いて行ってきました。本格的なコンサートホールです。
 会場内は子供さん連れのお母さんが半分以上。ピアノ教室の生徒さんなんでしょう。ステージ上にはベーゼンドルファーとスタンウェイのフルコンサートピアノ。8人の講師の先生方がモーツァルト、ショパン、リストなどの難曲を次々に弾かれました。テクニックといい、感情表現といい、(ピアノ素人の私が言うのもなんですが)素晴らしいもので、日頃夜の街のピアノしか聴いてない私なんか、圧倒されてしまいました。
 ただ、曲や演奏がどれもあまりに素晴らしすぎて、会場の子供さんたちがどう感じたかなあ、と余計な心配をしてしまいました。もちろん子供の時から本物の素晴らしさに触れるのは大切なことですが、同時に子供たちには身近なピアノの楽しさも伝わったらいいかなあ、といらんことを思ったものでした。
−an 弾手−


第167回「突然ですが、ここで読者のお便りご紹介」 [2006.7.25]
 前回までで某喫茶店の20周年祝賀会での人前ピアノの話題が終了。次は途中になっていたロータリークラブ記念式典での演奏の話の続きの予定だったんですが、急遽、読者の方からメールが届きましたので、今回は予定を変更しました。すみません。

 実は、バックナンバー第158回 「海外からも!人前ピアノレポート」でもご紹介させて頂いた藤森様からの最新情報です。マレーシアご在住の56歳のお父さん。拙著「お父さんのためのピアノ教室」を手に入れられ、レンタルピアノを契約されて練習。わずか2ヵ月後に現地の中華料理店のグランドピアノでアメイジンググレイスを演奏して居合わせたお客さんや店のウエイトレスさんから拍手を浴びた、というお話でした。
 その後、2回目の人前ピアノのご報告も頂いていました。
 そして、今回。ちょっとさびしいけど、心温まるお便りです。

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an弾手様

 ご無沙汰しております。

 過日、二回目の人前演奏をレポート致しましたが、その後悲しいニュースがありました。
 17年間のマレーシア生活に終止符を打ち、日本への帰任が正式に決まったのです。
 引越し準備や、仕事の引継ぎ等々で、超々多忙な生活を余儀なくされて、ご連絡が遅れて済みませんでした。

 実は昨日日本へ到着、長野県の実家に戻って明日からの日本勤務に備えている所です。お約束致しました、テレサテンの中国版のCDも引越し荷物に入れてありますので来週中には先生の所へ発送出来ると思います。楽しみに待っていて下さい。

 現地のピアノはレンタルでしたので、彼女(ピアノ)と別れるという悲しい儀式が待っていました。
 前夜は数時間彼女と共に過ごした後、最後の歌は「さよならだけが人生だ」という三十数年前に聞いた事のあるフォークソング。正確な題名も歌手名も忘れましたが、詩とコードは覚えています。C調では私の声の音域を越えてしまいますし、A調ではピアノのコード演奏に自信が無く、ギターで彼女に弾き語りをしました。

 さみしくなったら
 思い出す
 一人ぼっちのオマジナイ
 だいせんじがけだらなよさ
 だいせんじがけだらなよさ

 教えてくれた
 あの人が
 逆さに読むと歌になる
 さよならだけが人生だ
 さよならだけが人生だ

 さて当日、引越し荷物を梱包する業者と共に、ピアノレンタル会社が彼女を引き取りに来ました。最後の演奏のチャンスを貰いましたので、梱包業者数名とレンタル会社社員二名の前で第三回目の人前演奏。
 ありったけの感情、情熱そして思い出を込めて数曲弾きましたが、最後は涙、涙、涙、、、、。今思い出してもウルウルします。今頃彼女は、、、、。

 先生をマレーシアに招待致しましたが、お約束を守れず済みませんでした。日本での仕事が順調になった暁には是非とも、家族と一緒に熊本までご訪問しようと思っております。
 又、再度マレーシア勤務(私にとっては「帰国」です)の折にはご招待申し上げます。

 現地の日本人の友人が、私の演奏を聴いて感激、先生の本を紹介致しました。
 レンタルピアノで「青春を取り戻す」と張り切っています。こうしたピアノ演奏による感動の輪が世界中に広まればいいですね。

藤森


いやぁ、いいお話ですね。
やはり、日頃から自分の思いや感情を弾き込んできたピアノには特別の思い入れがありますよね。私もその日の自分の気持ちや体調によってピアノの音が違って聞こえるのを実感しています。ピアノって単なる道具ではなく、感情のある生き物のような気がします。
 藤森さん、日本でも是非早く新しい彼女(ピアノ)を見つけてください。
 そしてまた、日本のどこかで、素敵な人前ピアノを聴かせていただきますように。
 「青春を取り戻す」と張り切っておられるマレーシアのご友人にもどうかよろしくお伝えください。

感動的なお便り、ありがとうございました。

P.S:テレサテンの中国版のCD、楽しみにしております。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 今、自宅でこの原稿を書いている最中、ピンポ〜ンとドアホンが鳴りました。宅配便です。見るとドレミ楽譜出版社からの荷物。今度出る「お父さんのためのピアノ曲集」の表紙の色校正が送ってきました。いよいよ最終的な本の形が見えてきました。本文はあと数日で最終の青焼きが出て印刷に入るようです。今のところ8月のお盆前には発売になりそうですが、はっきり確定しましたらまたお知らせします。
 コード奏法「3つのパターンの法則」と、それを使ってアレンジしたフォークソングのピアノ・ソロ・バージョン24曲を収録しています。

 発売になりましたら、ぜひ皆様お手にとってご覧ください。
 よろしくお願いいたします。
−an 弾手−


第168回「お父さんのためのピアノ曲集」発売迫る! [2006.8.11]
 以前からお話していました「お父さんのためのピアノ曲集」が、いよいよ発売間近になってきました。ドレミ楽譜出版社のホームページでは、既に先行予約受付が始まっています。そこで、今回はこの本について、少し詳しくご紹介したいと思います。
 (ロータリークラブ記念式典での演奏の話がどんどん後回しになってますが、このところ毎週タイムリーなテーマが入ってしまいました。どうかご容赦を!)

 2004年10月に発売されました「お父さんのためのピアノ教室」〜体験的コード奏法超入門〜は、おかげさまでたくさんの方に手にしていただき、本当にありがとうございます!私にとって初めての出版物で右も左も分からず、皆様にどれだけ受け入れて頂けるかどうか心配だったのですが、発売になってみたら自分でもびっくりするような反響で、大人になってから改めてピアノを弾いてみたいと思っている方が本当にたくさんいらっしゃることを実感しました。そして、その反響の中で、「この奏法で弾ける曲をたくさん載せた併用曲集のようなものがないか」という声をたくさん頂きました。そこで、今回は既刊「お父さんのためのピアノ教室」の併用曲集、あるいはこれ単独でも「曲を弾く楽しみとコード奏法の練習が同時に出来る曲集」、というコンセプトで企画したものです。曲は70年代、80年代を中心にヒットしたフォークソングでまとめてみました。

書名:「お父さんのためのピアノ曲集」
    目からウロコのコード奏法≪フォークソング≫
編著者:an弾手
発行所:株式会社ドレミ楽譜出版社
発行日:2006年8月中旬(予定)
ページ数:104ページ
判型:菊倍
定価:1,680円(税込み)
ISBN:4-285-10967-0

主な目次と内容は次の通りです。

●イントロダクション
   この本のどこが「目からウロコ」なんですか?
   この本の構成と使い方

 ここでは、この本が従来の教本やピアノ曲集とどう違うのかを「ウロコその1」から「ウロコその8」まで8つの項目に分けて解説しています。

●第1部 テクニック解説編
  コードの基礎知識
  コード奏法「3つのパターンの法則」

 本書の一番の特徴は、奥が深いコード奏法をごく単純な「3つのパターンの法則」に整理して解説していることです。そして、収録曲24曲の全てをこの「3つのパターンの法則」でアレンジし、それぞれの曲のアレンジ譜の中に、どの部分が3つのパターンの法則のどれを使ってアレンジしているかを示していることです。理論や一般的な例題だけでは分かりにくい奏法テクニックを、実際の曲を弾きながら確認することで、実践の中でいつの間にか身につけることが出来るようにと工夫してみたものです。また、読者の方は本書収録のアレンジ譜をこの「3つのパターンの法則」で分析してみることで、他の曲を自分でアレンジする時のヒントにもなると思います。
 このテクニックは「お父さんのためのピアノ教室」で解説しているコード奏法と基本的には同じものですが、別の切り口から解説することでより理解を深めていただけるのではないかと思っています。


●第2部 シンプル・アレンジ編
●第3部 本格ピアノ・ソロ・アレンジ編

 本書の本題である「想い出のフォークソング曲集」です。懐かしいフォークソングの名曲を合計24曲収録しています。
全曲に
リードシート(メロディーとコードだけの楽譜)

演奏例アレンジ譜(ピアノで弾いた時の音を音符に書いた2段譜)
の2種類の楽譜が付いています。

 演奏例アレンジ譜は、全て第1部テクニック解説編に出てくる「3つのパターンの法則」をつかったアレンジで出来ています。そして2段譜の五線の間々に、この部分はどのパターンの法則を使ってアレンジしているか、というのを表記していますので、法則さえ分かれば音符を細かく追わなくても容易に弾けるようになるのではないかと思います。

 第2部シンプル・アレンジ編の演奏例は、リードシート通りにワンコーラスのみのアレンジ譜となっています。まずはリードシートからどのようにしてピアノ両手弾きになるのかを体験してください。
 第3部本格ピアノ・ソロ・アレンジ編の演奏例はイントロやエンディング、間奏、繰り返し等を加えて、一つのまとまったピアノ・ソロの構成にしたものです。ワン・コーラスのみのリードシートから、人前ソロ・ピアノに堪える構成にアレンジする要領を体験してください。
 要領が分かったら、第2部のシンプルアレンジ編の曲にも自分でイントロや間奏、エンディングを付けてみてください。工夫次第で色々な楽しみ方や使い方が出来る曲集です。

収録曲は次の通りです。

第2部シンプル・アレンジ編
 1. この広い野原いっぱい
 2. 坊がつる讃歌
 3. 花のメルヘン
 4. 白い色は恋人の色
 5. 時には母のない子のように
 6. いいじゃないの幸せならば
 7. れんげ草
 8. 遠い世界に
 9. 愛する人に歌わせないで
 10.さすらい人の子守唄
 11.旅人よ
 12.夢一夜
 13.精霊流し
 14.若草の髪かざり
 15.空よ

第3部 本格ピアノ・ソロ・アレンジ編
 16.星に祈りを
 17.恋人
 18.小さな日記
 19.秋でもないのに
 20.さよならをするために
 21.四季の歌
 22.無縁坂
 23.ふれあい
 24.誰もいない海

 それぞれの曲には、その曲で新しく出てくるコードの解説や、右手左手の分担のやり方など、演奏のヒントを付けてみました。ただ、演奏例アレンジ譜はそのまま楽譜通りに弾こうとすると、人によっては少し難しく感じる曲があるかも知れません。しかし、演奏例はあくまでも弾き方の一例ですから、何も全てその通りに弾くことはありません。最初は簡単な弾き方に変えて弾き、慣れてきたらだんだん色を付けていけばいいのです。それが出来るのがコード奏法の面白さです。

 という訳で、ただのピアノ教本でもない、ありがちなピアノ曲集でもない、全く新しいスタイルの曲集になったのではないかと思っています。

 今後、同じようなスタイルで日本の叙情歌、洋楽POPS、などの曲集シリーズも考えていますが、まずは今回の本がちゃんと皆様に受け入れてもらえるかが先決ですね。

 あ、それから皆様からご要望の多かった模範演奏CDですが、一度は実現しそうになったのですが、結局今回も諸般の事情により見送りになってしまいました。本当に申し訳ありません。今回の本の反響(売れ行き?)次第では今後のシリーズの中でCD付が実現するかも知れない?ようなニュアンスをドレミ楽譜の編集長からは頂いています。そうなるように頑張りますので今回は本当にスミマセン。

 という訳で、最後に全国の皆様にいつもながらの勝手なお願いです!
 今回もスタートダッシュキャンペーンにご協力を!お近くの書店、楽器店へのお問い合わせ、ご予約などをお願いしま〜す。本書の流通機構(取次卸会社や小売店)を刺激する情報を発信していただくことで、出来るだけたくさんの店頭に並ぶ機会を増やし、出来るだけたくさんの方の目に触れさせていただきたいと思っています。現物を見ていただければ、多くの方にきっと興味を持っていただけると思います。そして、楽しくピアノを弾きたいと思っておられる大人の方に、きっとお役に立てると思います。
 素人ピアノの感動の輪が世界中に広がることを願って!

 長いコラムを最後まで読んでいただいてありがとうございました!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 先日、会社に来たDM。某クラブのオープン案内の封筒です。見ると懐かしいロゴ。5年ほど前に閉店になった店でした。ママが子育ての都合で閉店になったと聞いていましたが何とかお子さんの手が離れたのでしょうか。
 オープンから3日後、たまたま街に出る機会があったので寄ってみました。以前の店より狭いものの、なかなかいい雰囲気です。さすがオープン時とあって満席。カウンターの隅に何とか掛けさせてもらいました。ママも5年前と変らず相変わらずのほっそり美人。
 「ずっとご無沙汰だったのに、案内状1枚で皆さんこんなに来ていただけるなんてありがたいです!」
 うーん、5年間のブランクでもお客さんの気持ちを引っ張れるその秘訣はなんだろう?仕事のヒントを盗まなくちゃ、な〜んて無粋なこと考えたか、考えなかったか。それは置いとくとして、ただ、この店にピアノが無いのはちょっと寂しい気がしないでもないか。
−an 弾手−


第169回「ロータリークラブ記念式典で演奏!の巻」その4 [2006.8.29]
 いやあ、ロータリークラブ記念式典の話、完璧どっかへ飛んじゃいましたね。
 前回(その3)が6月27日!2ヶ月過ぎて、あれから梅雨の豪雨があって、暑中見舞いが来て、お盆が過ぎて、もう9月が目の前。朝晩、秋の空気が漂い始めました!
 今さら、って気がして何か申し訳ないんですが…。しかし、続き物として書き始めてこのまま放り出すのも無責任な気もするし、ってことで。続きを書くことにしました。すみません。

 で、前回までのあらすじ〜っ。
 私が所属している某ロータリークラブが今年創立30周年を迎え、記念式典が開かれる事になりました。招待者や海外からのお客様を含めて300人以上。10年に一度の式典です。
 式典当日まで1ヶ月ちょっとに迫ったある日、突然祝賀会でのアトラクションを任されてしまいました!「ピアノ弾くように」って!そんな〜、私で間が持つわけがなかろもん。
 そこで、当日NHK熊本児童合唱団を連れて指揮に来てくれることになっていたY.K先生に急遽お願い。私のピアノ伴奏で歌っていただく事にしました。とは言っても、事前に曲目を決め、私がその伴奏を練習し、それから先生と合わせておかないといけません。
 先生のご自宅にお邪魔して曲目の相談をしたのが本番2週間前。韓国のお客さんに敬意を表してまずアリラン、そして私のピアノソロ2曲の後、浜辺の歌と宵待草を私のピアノ伴奏で歌っていただく事になりました。
 それから1週間は自宅で伴奏の練習。本番1週間前にまた先生のご自宅で合わせる練習。当日は早めに会場に入って控え室で最後の音合わせ、という段取りです。
 (1週間前に突然、喫茶店の20周年記念パーティーでのピアノ演奏が飛び込んできたりして混乱しましたが…)

 さて、いよいよ当日…

 ホテルの控え室。特別に頼んでピアノを入れてもらいました。ここで音合わせです。本会場は設営や式典の司会進行のリハーサルがあっていて、とてもピアノと歌のリハーサルが出来るような雰囲気ではありません。
 もうひとつ、先生が太鼓を持ち込んでこられました。アリランの時に歌いながら叩くんだとか。ピアノと合わせてやってみます。3拍子でドン・チャチャ・チャッ、ドン・チャチャ・チャッ、という感じです。ドンという所が、ズンッとお腹に響いてなかなかの迫力です。
 調子に乗ってしばらくやっていたら…
 バーン!と控え室のドアを開けて飛び込んできた男!ホテルのマネージャーさん。
「直ぐやめてください!向かいの部屋で結婚披露宴をやっているんですよ。音がドンドン響いています!この部屋で太鼓を鳴らすなんて聞いてませんよ!」
すみません…。ちょっとやり過ぎでした…。

 太鼓の練習は中止。
 浜辺の歌と宵待草の音合わせ。練習してきた伴奏で先生に歌ってもらいます。特に、前奏から歌い出しのところと間奏から2番に入るところ、それに曲の途中で先生が思い入れたっぷりに音を伸ばすところのタイミングをしっかり確認。
 使う楽譜は、先生にコピーしていただいたピアノ用伴奏譜を参考に、自分で分かりやすいようにリードシートに書き起こしてきたもの。これを1枚の五線紙の表裏に書いてきました。伴奏パターンも自分で弾きやすいように、同時になるべくかっこよく聴こえるように工夫して来ました。

 一通り確認して今度は本会場をのぞいてみます。実際に弾くピアノも少しは触っておきたい。PAの人に声を掛けてステージ脇のピアノを弾いてみます。ちょっと音の返りが小さくて、弾いていて落ち着かない感じはしますが、まあ、こんなものかなぁ。会場内にいる人に聞いてみると、会場の後ろまでちゃんと音は聴こえているらしい。

 その後、控え室と本会場を行ったり来たり。どうも落ち着かない気分です。

 落ち着かないまま、次第に開会の時間が近づいてきます。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。
 暑くて痛いお話。
 少し前から車のエンジンルームに異音がしていました。エンジン起動後しばらくガーッという大きな音がするんです。少し走っていると正常に戻るのでとりあえずそのまま乗っていたら、ここ数日エアコンが不調になりました。
 暑くてたまらずディーラーへ。1時間以上待たされたあげく
 「コンプレッサーの軸がガタついています。このまま運転すると危険です。部品の取り寄せと交換で150,000円程かかります。どうしますか?」って!
 ゲッ、一桁違ってません?どうしますか?って言われても。他に選択肢は…?
 「コンプレッサーのベルト外して走れば運転には支障ないですが…」
 この残暑の中、エアコン無しでどうするの?

 …というわけで愛車は整備工場に緊急入院。私は代車生活。暑くて痛い。
−an 弾手−


第170回「ロータリークラブ記念式典で演奏!の巻」その5 [2006.9.11]
 さてさて、いよいよ開会の時間。
 例会13:30〜、記念式典14:15〜、記念講演会16:00〜 
 そして、やっと記念祝賀会17:50より!(開会からなんと4時間だぁ)
 ふっ、いい加減疲れた…。

 例会・記念式典の間、席に座っていても何となくソワソワして落ち着かず。記念講演会は席をはずしたまま結局聴かずに控え室と廊下をウロウロ。そして、いよいよ祝賀会が始まったはいいけど、挨拶、お祝いの言葉が続いてやっと乾杯。
 さて出番か、と思ったら、司会者が
 「では、しばらくご歓談を。」
 と言って会場はザワザワ食事が始まりました。

 …ん?なかなかアトラクションに移らない。回りのテーブルはみんな盛んに飲んだり食べたり喋ったりしてるけど、こっちはそんな気分にならないよね〜。少し離れた席にいたY.K先生が険しい顔でやってきて
「出番はどうなってるの?まだ始めないの?」
うーん、私に聞かれても…。
前の方を見ると、司会者もテーブルについてお食事の真っ最中!
「まだ司会者が言ってこないので、まだなんでしょう」
って、なんとも中途半端な返事の私。

 お食事開始から約20分。やっと司会者がテーブルの方にやって来ました。
「そろそろアトラクション始めていいですか?」
(始めていいですか、って、さっきから食べるものも食べずにずっと待ってるんですけどねー)

 司会者に紹介されて、私はステージ中央のマイクの前に立ちます。軽く自己紹介。自分のピアノ経歴と今ここに立っているいきさつをひとしきり話します。会場はガヤガヤでほとんど聞いてくれないかと思いきや、ステージに近いテーブルの人は結構こちらを見てうなずいてくれてます(よかった)。さて、ここで打ち合わせ通りY.K先生をお呼びしてステージに上がってもらいます。私はステージ袖のピアノに着いてやっと演奏開始です。

(ふーっ、ここまでが長かったぁ!)←読んでいただいてる方も、いい加減長かったでしょ。
 まず、アリラン。私のピアノに合わせて、先生が運び込んできた太鼓をドン・チャチャ・チャッ、ドン・チャチャ・チャッ、と叩きながら歌ってくれます。
 無事終了。続いて私のピアノソロ。「ダニーボーイ」と「誰もいない海」。曲の途中で、ピアノの近くのテーブルから
『この曲なんだっけ?』『ほら、誰もいない海でしょ。』『ああ、そうそう。』
 なんて会話が耳に届いてきて、おっ、聴いてくれてる!と、ちょっといい気分です。弾き終わったら顔見知りの人が二人、ピアノの近くまで立ってきて
「あなた、こんな隠し芸があったとは知らなかったよ!」って握手してくれました!

って浮かれてる場合じゃない。まだまだY.K先生の歌がある。再び先生にご登場いただき、浜辺の歌、宵待草の伴奏です。
 数時間前に控え室でさんざん練習した通りに事は進んで行きます。練習にあれだけ時間をかけたのに、本番はあっという間に過ぎて行くのですね。大きなミスも無く最後のエンディングまでたどり着きました。

 で、アトラクションはこれで終わり?じゃなかったんです。
 2曲では歌い足りないY.K先生、実はこの日は専属のピアニストをご同伴でした。私が引っ込んだ後はピアニストが代わって歌曲を数曲、ご披露していただきました。

 まあ、私は前座、ということですよね。ホッと自分の席に戻り、今度はゆっくり食事をしながら先生の歌を楽しませていただいたan弾手ではありました。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 またまた、an弾手の記事が新聞に載りました。今度は西日本新聞。2006年9月10日(日)の朝刊11面です。「おじゃまします〜くらしルポ〜」という生活面のコーナーで、8段3分の2程の大きなスペースにカラーでデカデカと恥ずかしい写真が載ってます(汗)。
 3冊の本の写真もしっかり載せていただいてますが、記事は本の紹介ではなく「普通のお父さんでもこんな風にピアノを楽しんでいる人がいる」という、くらし紹介。
 これでまた「自分も出来るかもしれない」という世のお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんが増えると、うれしいですね。
 紙面につきましては、西日本新聞社の許可が取れれば、このコラムでもご紹介できるかもしれません。
−an 弾手−
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