●第385回●「時の流れ」
ステージの上で、老練なピアニストがお洒落なジャズピアノを奏でています。横でマイクを握るのは新進女性ヴォーカリスト。ここはあるジャズクラブです。その夜私は中学時代の同窓会の後、久し振りにその店に足を運んだのでした。 そこで思わぬ人と遭遇。私と同年代の顔見知りの男性と、同じく顔見知りの若い女性。私は2人とも別々によく知っているのですが、その2人が仲良く一緒にこの店でお酒を飲んでいる、という組み合わせが私にとっては『思わぬこと』で! 聞くと、その女性がまだ小さい頃、よく自分の家の近くの坂道を三輪車で下って遊んでいた時、その男性が 度々車でその道を通り掛かって『危ないなぁ』と迷惑に思ったり注意したりしていたとのこと。 へぇ〜、そんな昔からの『知り合い』だったんですね。それにしてもそんな2人が、今こうしてこんな店でジャズを聴きながら親しげにグラスを傾けているなんて。時の流れって不思議なものです。 「ほら、あのピアニストの人、3〜40年ほど前にあるホテル最上階の展望ラウンジで演奏しているのを聴いたのが最初の出会いだったんですよ」とその男性。 へぇ〜、そこにも時の流れを感じますねぇ。 時の流れと言えば。 実はその日の昼間、とても『時の流れ』を考えさせられる映画を観たばかりだったのです。「ALWAYS 三丁目の夕日’64」。時は1964年、東京オリンピックが開催された年。戦後の焼け野原から日本人が明日を信じてみんな助け合い必死に暮らしを築いていった様子を描いたのがこれまでの第1作、第2作としたら、今回の第3作はいよいよ世界一の東京タワーが完成し、世界一速い新幹線が開業し、東京でアジア初のオリンピックを開催するまでになった、戦後復興の一つのシンボル的な時代。ただ、映画ではそんな日本再生万々歳だけの話ではなく、終戦からの復興を担ってきた世代から、そろそろ次の世代への世代交代が始まる悲喜こもごものエピソードや、新たな社会格差の兆しなどの側面も描かれています。 で、その時の「次の世代」だった私らなんかが、気が付くと更にそのまた「次の世代」へ世代交代をする時期に来ているのですよ(笑) その日の中学時代の同窓会でも、自分たちの年金の話やら、高齢化社会のいびつな人口構成の話やら、結婚しようとしない身の回りの30代の若者の話やらが飛び出し、あの「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の世界からまたひと回り次の時代へと時が流れているのをしみじみと感じたのでした。私がちょうど今レッスンでピアノ(コード)を教えている女子中学生が大きな夢を描いてこの春東京の堀○学園(高校)に進学するというのも、そう言えばこの映画の当時は私自身が同じ中学生だったんだということに気付いて、不思議な巡り合わせの様な気がしないでもありません。 …と、そんなことを考えながら自分の身の回りを見回すと、さてさてこれからの自分のピアノライフ、どんな展開になっていくのか、していくのか。 『時の流れ』に逆らわず、でも決して流されず、自分流に取り込みながら楽しんでいけたらいいなあと思うのですが。 (な〜んて、変にカッコ付けた締めですみません!) (続く→原則毎週火曜日更新) an弾手(andante) ■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています! piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
先週土曜日(4日)は立春だったんですね。まだまだ日本列島の各地からは大雪のニュースが流れてきますが、暦は着実に進んでいるんですね。ここ熊本も先週は雪が舞っていましたが、昨日は雨に変わって凍えるような寒さも少しは緩んできたような気もします。 ところで私の仕事(本業)の方では、この時期になると年度末を意識した見積り依頼やら仕事の相談やらが増えてくるんですよね。そんなせわしなさから春の足音を感じるというのも、まあ風流ではないですが毎年やってくる風物詩のひとつ、なんでしょうかね。
第278回 「アナ鼻ピアノ(その37)いろんなコードでの左手人差し指の使い方」
第279回 「緊急ご案内」年賀状交換のお願いです!
第280回 「ピアノ発表会・クリスマス会」
第290回 「出版って、どうやってやるんですか?」その4