この10年間毎年「普賢岳及び阪神大震災チャリティー作品展」を行ってまいりました。今年も6月9日から15日まで行います。

 【陶芸・布・染色・花・絵・皮工芸・さをり織り】等、様々なジャンルで活躍されているプロの作品を数多く出品致します。10年間ずっと出品して下さった方、今年で最後ならばと再び参加される方等のご協力で第10回目を迎えることが出来ました。皆様には厚く御礼申し上げます。

 さて、このチャリティー展の行きさつをお話いたしましょう。
知人で関西のアーティスト・陶芸家達が、島原の陶芸家を励ます為、爆発した普賢岳の灰を釉薬にしたチャリティー陶芸展を大阪のデパートで行ったところ、市民の関心が高く盛況だったと便りがありました。

 爆発したあの日の午後、お客様が白の服を黒に染めたかのようになって店に入って来られ「エェ!何が起きたのか?」と不気味さを感じたものでした。その後テレビ・新聞・雑誌等、毎日毎日大被害のニュースを見入るばかりで、当時「自分達が救済をしようとか、できる」とは思ってもいなかったのです。

 そしてそのお便りをもらってから「肥後迷惑の灰」が皆さんの幸せに繋げる事を知ったのです。それから熊本の陶芸家・アーティストの方々にその話をし、賛同される中から7人程で灰を取りに島原に出向き、ある陶芸家を訪ね某テレビ局も取材で一緒でした。「お金は要らない。お金で人は怠け癖がついてしまった。精神的な援助が欲しい!」と。「精神的援助とは・・・?」チャリティーの益金を差し上げることしか頭になかったものですから、「さてはて?」と難しい宿題を出されたかのように考え込みました。

 しばらくして「島原第五小学校の児童達が陶芸をしたくても窯が無いので残念がっている」と聞き、窯を贈ろうと決めました。その地区は仮設学校・仮設住宅で不便を強いられた生活をされていましたが、児童が楽しんで作った陶器を家族に見せ、使用するその場はきっと笑顔で満たされ幸せな家族となられるのではなかろうか、そう思いました。
 お陰様で第1回目は好評で、陶芸家も羨むほどの大きな電気窯をプレゼント。3年ほど経ったチャリティー展には親子で作った作品・楽しく作陶している写真・作文を展示しました。親子の共同作業なんて、現在はめったに無い事ですよね。

 小学校長先生もこの間3人変わられましたが、窯を生かした催しをされ、今は週2回の陶芸教室が行われているとお便りがありました。「この児童達の中から、将来陶芸家が現れるかもね」と私達仲間は話しました。
 今年で最後のチャリティー展です。どうぞ熊本の皆様ご協力をお願い致します。

カフェギャラリー三点鐘
熊本市中央区手取本町3-8有明ビル3F 096-326-3040