熊本県立美術館は、1976年3月、国の特別史跡である熊本城の二の丸公園の一角に、古代から現代美術まで網羅する総合美術館として誕生し、もうすぐ30年目を迎えます。

 考古、絵画、版画、彫刻、工芸、書蹟などが収蔵・展示され、なかでも装飾古墳室は古代の造形美を日本美術の原点としてとらえた展示施設です。多彩な展覧会を開催する一方、ギャラリーツアー、団体解説、実技講座、美術鑑賞講座、コンサート、子ども美術館などの様々な教育普及活動を行っています。

 これから開催予定の企画展を紹介します。是非、ご来館・ご高覧ください。

第25回熊本の美術展「小代焼」
10月21日(金)〜12月4日(日)
 熊本県を代表するやきもの小代焼の全貌を紹介します。

 南関町と荒尾市にまたがる小岱山麓で焼かれた小代焼は、桃山・江戸時代初期に朝鮮半島からの渡来系陶工により始められました。細川藩の時代、その保護を得て、牝小路・葛城家の瓶焼窯や瀬上家の瀬上窯などが栄えます。明治以降もその伝統は受け継がれ、力強く野性的な魅力が人々の支持を集めてきました。

 開窯から現代までの400年を陶器約300点と関連資料で展観し、その全体像に迫ります。

ケーテ・コルヴィッツ展 ある女性芸術家の生涯―魂の叫び、平和への祈り―
平成18年2月10日(金)〜4月9日(日)
 20世紀前半のドイツで活躍したケーテ・コルヴィッツ(1867〜1945)は、銅版画や木版画を中心に、素描や彫刻の分野にも優れた作品を残した女性芸術家です。

 二つの大戦で息子と孫を失い、女性として、母として人間の生と死を見つめながら制作を続けました。貧しい農民や労働者への共感、戦争の持つ残酷さや悲惨さへの憤り、平和への深い祈りが観る者の魂を揺さぶります。

 このほか、県立美術館から県内の市町村へ、作品を「出前」する巡回展も行っています。今年は牛深市総合センター(10月14日〜16日)と益城町総合体育館(11月4日〜6日)とで開催します。

 これからも、皆様に親しまれる芸術文化の発信地として活動を続けてまいります。ご来場、ご観覧を心よりお待ちしております。。

熊本県立美術館 本館
 熊本市中央区二の丸2番 TEL:096-352-2111 FAX:096-326-1512
熊本県立美術館 分館
 熊本市中央区千葉城町2-18 TEL:096-351-8411 FAX:096-351-8566
http://www.museum.pref.kumamoto.jp