県劇人
Vol.15 
山口 邦子/やまぐちくにこ
熊本ユースシンフォニーオーケストラ 指導者・事務局

 スポットライトを浴びる主役の陰で、舞台袖や楽屋を走り回るスタッフたち。これらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載しています。

山口 邦子(熊本ユースシンフォニーオーケストラ 指導者・事務局)
5年ぶりのヨーロッパ演奏旅行を控えた“熊本ユース”。8月8日の定期演奏会は、「チェコ・ドイツ演奏旅行壮行演奏会」として開催されますが、演奏会と併せて演奏旅行の準備にも追われている事務局の山口邦子さんにお話をうかがいました。

今回の演奏旅行のプランを教えてください。
 演奏会翌日に日本を出発。チェコのプラハから、ドイツの古城街道やロマンティック街道を経由してボンまで行きます。途中、シュタインアルベンというドイツの小さな町で吹奏楽団と交流し、5年前にも訪れたボン大学では同じホールで演奏会を行って17日に帰国します。

壮行演奏会はドイツの演奏会と同じプログラムですか?
 はい。日本の音楽を聴きたいというドイツ側のリクエストに応えて、最初に武満徹の「3つの映画音楽」を演奏します。モーツァルトのフルート協奏曲第1番では、3月までルーテル学院高校生だった安武美貴さんをソリストに迎え、最後はボンが終焉の地となったシューマンの交響曲第4番です。

演奏旅行の準備で一番苦労されていることは?
 メンバーの確保です。9日間の旅行となると経費も掛かりますが、それを負担できる団員で演奏者を確保しなければなりません。パートによって最低限必要な人数があるので、それを確保しなければならないことが大変です。

今回の演奏旅行で期待している成果は?
 参加した若い人々の人間的な成長です。西洋音楽をやっている私たちにとって、現地の空気に直接触れてくることもプラスになると思いますし、視野が広がる中で、日本の良さを見直すきっかけになることも期待しています。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.87より

県劇人vol.14へ 県劇人Vol.16へ