県劇人
Vol.14

 スポットライトを浴びる主役の陰で、舞台袖や楽屋を走り回るスタッフたち。これらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載しています。

井形 理恵(サウンド九州 照明スタッフ)
6月21日、熊本シティ・オペラ協会によるオペラ「ドン・カルロ」全幕公演がコンサートホールで開催されます。演劇ホールに比べて舞台機構や照明設備に制約があるコンサートホールで、毎年照明を担当している井形理恵さんにお話をうかがいました。

この世界に入られたきっかけは?
 小さい頃から母親に連れられて子ども劇場の舞台を観に行ったりしていましたが、中学生の頃、コンサートや舞台の照明が変わるのを見てきれいだなあと思っていました。高校に入る時も、絵を描きたかったわけでもないのに、光や色が好きだという理由で美術科に進学しました。小さい頃から舞台照明の美しさに憧れていたんですね。

照明の仕事は女性も多いのですか?
 東京では女性の方が多いと聞きますが、熊本ではまだ少ない方だと思います。それでも、私の知る限り10人近くはいますね。

演劇ホールと違って照明や吊物のバトンがほとんどない コンサートホールでの照明プランはとても難しいと思いますが、 どういった工夫をされていますか?
 コンサート専用ホールの、道具は飾れない、照明は満足に仕込めないという制約の中で、ムーヴィング・ライトという特殊な照明機材を持ち込みました。これによって、色を変えたり動かしたり、といったことが容易にできるようになりました。

将来の夢は?
 照明は一人で出来る仕事ではありません。沢山の照明スタッフ、他のスタッフ、出演者と一緒に考え、創り、感動ある舞台づくりに携わっていきたいですね。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.86より

県劇人vol.13へ 県劇人Vol.15へ