第481回 「コード進行から広がる無限の楽しみ」 [2014.1.21]

 「…同じコード進行の上に全く違う決して同じにならないメロディを数限りなく作れると考えてもいいのでしょうね」

新年早々、弾手の会の皆さん同士で一斉送信しているメールに会員の方からのメッセージがありました。そして、それに対して別の会員の方からの返信ややり取りがあったり。
その中でコード進行についての話題が盛り上がっていましたので、ここでちょっとご紹介したいと思います。

冒頭のメールに、他の会員の方から
「数限りなく作れると思います」
「人の数だけ、またその人の考えの数だけいくらでも可能性としては広がっていると思います」
「コンピュータで計算すれば〜何通りの旋律が作れるか計算できるのでしょうけれど…」
「コード進行を思いついたらそれをまずばらばらアルペジオで弾いてみたり、和音で弾いてみたりリズムを付けてみたりして、自分で鼻歌を歌ってみると案外するっと気持ちいい旋律が出てきたりしますよ。お試しあれ」
等々、話が盛り上がっていました。

で、私も途中から話しに参加。
「コード進行と旋律の組み合わせの話し、なかなか面白いテーマですね。私もコード奏法を学び始めて間もない頃、このテーマに出会って目からウロコだったことがあります。全然別の曲でも、コード進行が同じなら一緒に演奏して違和感無く聴けるんですよね。まあ、考えてみればヴォーカルの伴奏なんか、まさにこれですね。例えばカラオケの伴奏だけ聴いてみると歌のメロディーとは違うフレーズが流れていたりするのに、これに合わせて歌うと、違和感無く、どころか、とても美しく響きます。これだって、同じコード進行で違う旋律を同時に演奏している、ってことですよね」と。

考えてみれば当然ですが、世の中には同じコード進行で出来ている曲は無数にあります。もちろん、コード進行そのものには著作権はありません。もし著作権があったら、最も基本的なコード進行のドミナント・モーションなんかも誰も使えない!な〜んて、世の中から全ての音楽が消えてしまう?ことになりかねませんものね。
コード進行には、『定番』と言われて名前がついているものがいくつもあります。簡単な例では『1,6,2,5』(Key=CではC―Am―Dm―G7)、いわゆるイチ、ロク、ニー、ゴー、の循環コードだったり、シャンソンの名曲「枯葉」に使われている『枯葉進行』だったり、また有名なクラシック「カノン」(パッヘルベル作曲)の『カノン進行』なんかがあるようです。
そしてこれら以外にも、日頃何気なく聴いている曲の中に同じコード進行をつかった曲が山ほど存在します。

同じコード進行で違う旋律がいくつ作れるか?というのは確かに数学的な順列組み合わせ?の世界なんでしょうが、その計算は数学者、科学者にお任せして、まあ、私たちは気に入ったコード進行をパラパラ鳴らしてみながら、その中に自分なりの心地よいメロディーを紡いでいく、という、無限の楽しみの世界で遊んでみる方が面白いかも、ですね。

なお、ネットを見ていたら面白いブログがありました。同じコード進行で違う曲を演奏する動画入りで、参考になりそうなので下記にリンクを貼ってみます。私の動画じゃなくてすみませんが(笑)
http://blog.livedoor.jp/tkfire85/archives/55526429.html



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an弾手(andante)

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随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。

 今朝、車で出勤途中の道路のスムーズだったこと!表の大きな国道ではなく、少しでも混みにくいちょっと裏手の道を通勤コースにしているのですが、いつもカーブを曲がるたびに前方にズラーッと並んでいる車が今朝は全く見えず、スカーッと道が空いていて快適でした。理由は分かりませんが、今日はツイテいる、と思って一日過ごしましょ!

 
−an 弾手−


第482回

「くまもと県民文化賞」
[2014.1.28 ]

 突然ですが…。
「くまもと県民文化賞」というのをご存知ですか?
熊本県文化企画課の資料によると、その目的として『地域の文化振興に貢献する活動を行ったものに対し、その功績をたたえるとともに今後の活動を奨励し、ひいては、県内各地における文化活動の促進を図り、本県文化の振興に資する』とあります。

どうしていきなりそんな話しかと言うと。
私も少しだけお手伝いさせて頂いている「NPO法人オハイエくまもと」が、今回、くまもと県民文化賞を受賞したのです。
「オハイエくまもと」とは、このコラムのバックナンバー第476回「オハイエくまもと・トーク&コンサート」、第478回「ステキなプレゼントをもらった今年のクリスマス会」等でもご紹介していますが、『知的発達障がいのある人たちを中心に、日常的に音楽(楽器演奏、歌、踊り)を練習しながら、音楽の力で心のバリアフリーを目指そう』という団体です。私は音楽指導者として練習に参加したり、毎年3月に熊本市街地9ヵ所で同時開催される「オハイエくまもと・とっておきの音楽祭」の実行委員の1人として、ちょっとだけお手伝いをさせてもらっています。
そんな「オハイエくまもと」が受賞することになって、私もとても嬉しいです。

先週1月23日、熊本県庁知事応接室にてその表彰式が行われました。もちろん私は表彰式に出席した訳ではありませんが、会を代表して会長はじめ事務局長や音楽指導の責任者、それにパフォーマー(知的障がいのある演奏メンバー)数名が出席しました。

同時に受賞したのは、琴古流尺八奏者として永年邦楽の継承振興に務めている釼虚霧洞(つるぎきょむどう)氏、工芸家の戸田東蔭(とだとういん)氏、熊本に縁の文学者に関する作品の研究・普及、文化財の保存・保護に尽力されている中村青史(なかむらせいし)氏、数々の受賞歴を持つ天草市立本渡中学校吹奏楽団、そして特別賞として、あの『くまモン』の生みの親、放送作家・脚本家・プロデューサーの小山薫堂(こやまくんどう)氏。

オハイエ会長から後で聞いたところによると、授賞式での受賞者挨拶で
「くまモンはまだ3歳ですが、私達オハイエくまもとは今年5周年ですから、くまモンよりちょっと先輩でございます!」と、あのくまモンに対抗して言っちゃった、とか。
さすがコワイモノ知らずの会長でございます。授賞式後の写真を見たら、しっかりくまモンと並んで受賞者一同、笑顔で写っておられました〜。

さてさて、これから3月のとっておきの音楽祭に向けて、パフォーマーの演奏指導と並行して、ガイドブックの編集、会場打ち合わせ、プロ・アマ合わせて100団体以上の出演申込み受付と9会場への割り振り、出演者事前説明会、一般・学生ボランティア説明会など予定が目白押し。私は「出来るしこ(自分に出来る分だけ)」の精神?でお手伝いするだけですが、事務局や多数の実行委員(全てボランティア)の皆さんの想像を越える仕事振りを見ていると、何だかこちらもパワーをもらえるような気がします。



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ちょっと、ひと言。

 たった今、私の本の読者の方から電話がありました。少し前にも「コードで弾く想い出のフォークソングの本が品切れで手に入らないがどうにかならないか」とお問合せ頂いて、私が自分の手持ちの中からお分けした方です。今回は、そのフォークソングの本ももうすぐ弾き終わりそうなので、他に私の新しい本(曲集)が出る予定はないか?私の本のコード奏法がとても弾きやすいので、とのことでした。そこまで私の本を頼りにして頂いてありがとうございます!光栄です。
とりあえず現在の予定としては講談社の文庫と新しい教本シリーズだけで、他に新しい曲集の予定は動いていないのですが、読者の方の貴重なご意見ご要望として出版社の人とも少し相談してみたいと思います。
(なお、「コードで弾く想い出のフォークソング」は昨年12月、改訂新刊が改めて全国発売になっています)

 
−an 弾手−


第483回

「Sweet Piano Night」
[2014.2.4]

 「『Sweet Piano Night』ってタイトル、どうですか?」
「あ、いいんじゃない!」

久し振りに行った馴染みのライブハウス。このところ新年会その他で夜の街に出る事は多くても、その分、疲れてライブハウスまでなかなかたどり着けてませんでした。その日は知り合いのKBC(熊本ボサノバクラブ)の人達がライブやるからって案内のメールをもらっていて、久し振りに覗いてみたのでした。
店に入ったら、おー、結構お客さん入ってる!私は1人なので前のテーブル席に1人で掛けるのも悪いと思って最初は手前のカウンターに掛けていたんですが、そのうちに顔なじみの人がやって来たので一緒に前の席に移動。やがてどんどんお客さんが増えて満席状態。開演時間近くになったら5人程の外人さんのグループも入って来て、なかなか国際色豊かです。

ライブはピアノ、ベース、ギター、サックス、それに2人の女性ヴォーカルという編成。私は狭い店内の一番前の席で、ピアノから1,5メートル、ヴォーカリストから80センチ程の超かぶりつきで楽しみました。
ライブの後はお決まりのセッションタイム。司会者から「an弾手さん、最初にピアノ2曲くらいいいですか?」と振られて前に出ます。こんな時のために普段から持ちネタ曲をメンテナンスしておくのが自分なりの課題なんですが、あーら、正月が明けてから会合や新年会に明け暮れて、もう大分ピアノに触ってなかったなぁ。という訳で、いつもの「ダニー・ボーイ」は、まあ、ほぼ思い通りに弾けたんですが、2曲目に弾いた「ひまわり」がぁ!何と、途中でコードが分からなくなり、一部右手のメロディーだけで流してしまうという失態!まあ、いいか。ご愛嬌ということで(汗)。
演奏後、たまたま店に来ていた私の本の読者の方がわざわざ席を立って来て
「初めてan弾手さんのピアノを生で聴かせてもらって感激しました!ありがとうございます」
と言ってくれたんですが、いやぁ、そうだったらもっとちゃんと弾かなくちゃいけなかったですねー!反省反省。

と、ここまで書いて…。実は今回のコラムの本題はこれからです!
私は以前から、あちこちでの演奏を頼まれて弾いたりはしているんですが、自分で企画(プロデュース)したライブらしきものをやったことが無くて、そんな活動もやれたらいいなぁと思っていたんです。で、その日、そのライブハウスのオーナーにちらっと話をしてみました。
「この店で、自分のライブ?らしき演奏をさせてもらったり出来ますかね〜?」
するとオーナー、
「ああ、いいですよ!どうぞどうぞ。だったら何かタイトルみたいなの考えてくれませんか?例えば…、Sweet Pianoなんとか、とか…」
と、すっかりに乗り気です。
それで私、
「じゃ、『Sweet Piano Night』ってタイトル、どうですか?」
と言ったら
「あ、いいんじゃない!」
という訳で、その場ですんなりライブタイトルが決まってしまいました〜!
「月に一回位のペースでやりますか?」
と聞かれて
「あ、いやいや、まずは一回やってみて、その後はそれから考えましょう」
と答えたのですが。

さて、少し内容を考えて、日程は改めてお店と予定を相談して、ですかね。ちょっと忙しくなりそうです〜。



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ちょっと、ひと言。

 先週末から温かい日が続いていましたが、今朝はまた少し寒くなりました。今週後半は全国的に冷え込むそうです。
今日(2月4日)は立春。我が家の隣の畑には今、黒い土の中から青い麦の芽が数センチの長さに伸びています。毎朝見るたびに少しずつ伸びていくのが分かります。春は着実に近づいて来ているんですね。

 
−an 弾手−


第484回

「時の流れ。変わるもの、変わらないもの」
  [2014.2.10]

 2005年7月に初版が発売された拙著「40歳からのピアノ入門」(講談社+α新書)を、今また読み返しています。というのは、この度この本が講談社で文庫化されることになり、今、改訂作業を進めているのです。
基本的な内容は変わらないのですが、当初原稿を書いた時から既に10年近くの時が過ぎているので、古くなった情報のチェックや、その後新しく増えた話題なども含めた加筆修正作業です。
今読み直してみて、自分のエピソードは別としても、特に変化したなあと思ったものの一つが電子機器(録音機材)の話題です。

私がコード奏法を勉強し始めた頃(18年程前)、私の周りではまだカセットテープが主流でした。練習会場のライブハウスにラジカセを持ち込んで先生の模範演奏を録音したり、家で自分の演奏を録音して確認したりしていました。でも、「40歳からのピアノ入門」の原稿をまとめ始めた10年程前にはいわゆるMDが世の中に普及し、「こんな便利なものが出来たのか!」と思ったものです。コンパクトで持ち運びに便利なのはもちろん、カセットテープに較べたら音質が良く、何よりも曲の途中の任意の場所にマーキングを付けて必要な部分の頭出しが簡単に出来るのが便利でした。これは練習で曲の同じ部分を何度も繰り返し聴き直すには不可欠の機能ですね。CDの曲も、MDにダビングして必要な箇所にマーキングを入れて使ったりしていたものです。
…ところが何と。気がつくと最近ではそのMDもいつの間にか世の中の表舞台から姿を消してしまってました。今、手軽なオーディオ録音機器として主流なのは、いわゆるPCMレコーダーといわれるものでしょうか。

最近ではライブハウスなどでも、お客さんや出演者本人が近くのテーブルや棚などにPCMレコーダーを置いているのをよく見掛けます。私はまだこのPCMレコーダーを持っていなくて、今回原稿チェックのために改めて録音機器の情報を調べてみて、自分でも欲しくなりました。

ところで、余談ですが。
このPCMという言葉(技術)、実は最近出てきたものではなく、もうずっと以前からあったんですね。というのも、この言葉自体は私も若い時から聞いていたのを思い出しました。
実は私、大学は工学部の電子工学科でした。もう40年以上も昔の話ですが(笑)。そういえばその時の大学の講義でPCMについて習ったことがあったような…。若いハンサムな(当時はまだイケメンという言葉は無かった?)先生が黒板に図を書きながら話をしている光景を思い出しました。
えっと…。PCMとは、Pulse Codo Modulation(パルス・コード・モデュレーション)の略で、アナログ信号(空気を伝わって耳に届く音の波形をそのままの形で電子化したもの)を、パルス信号(一定の大きさの信号の組み合わせ=パルスコード)に変換するデジタル技術? アナログ信号は録音再生の過程でその波形が少しでも変化すると音が劣化するが、パルス信号は波形ではなくパルスの密度で音の情報を記録しているので、多少パルスの形が変化しても記録されている情報そのものには変化がなく、元のアナログの音声波形を忠実に再現できる?…みたいな? 
言いながら、自分でも何のコッチャ?ですが。
そんな高度な技術が、大掛かりな業務用機器だけでなく、当時は考えられなかった様な手軽で安価な民生機器にも応用、市販出来る様になった、という周辺の技術の進歩が目覚ましいんでしょうね。

すみません、いつものan弾手コラムと随分かけ離れた話になっちゃいましたが。ここで言いたかったのは…。
目先の機器等の様式は目まぐるしく変化しても、その根底の技術(原理原則)はずっと受け継がれているのだなぁ、と思ったんです。
様々な音楽だって、時代時代で流行り廃りのスタイルは色々あっても、その根底に流れる音楽の心みたいなのはずっと続いているんだろうなぁ、と。
電子機器は最新の便利なものを使うにしても、音楽はいたずらにスタイルだけに目を奪われるのではなく、その根底に流れる心を大切にしたいなぁ、と。
(話のこじ付けに少し無理があるか?:笑)

でも、「40歳からのピアノ入門」を自分で読み返しながら、ふとそんな事を思ったりしたのでした。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 明日、2月11日(火)は建国記念日でお休み、ということで。このコラム、今日(10日)のうちに更新することにしました〜。
日本の半分くらいは雪でしょうか。東京も先週末から積雪で大変みたいですね。昨日の日曜日に熊本県立劇場のアウトリーチ事業でオハイエ音楽隊の指導に東京から来て頂いた先生も、何とか無事に到着されて良かったです。
昨日私は、昼間はオハイエ練習、夕方からは熊本県立美術館(分館)に移動し、私も出品させて頂いた高校同窓会の「江原会美術展」の撤収作業でした。明日は午前中からオハイエチャリティーアート展のオープニングセレモニー、午後からは県立劇場へ山田和樹氏指揮の交響曲「海道東征」を聴きに行きます。楽しみ〜。

 
−an 弾手−


第485回

「電子ピアノさん、これからも元気でよろしく!」
[2014.2.18]

 ガリガリガリッ!
マスターボリュームを触ると、大きな雑音が!!
我が家の電子ピアノ、YAMAHAクラビノーバCVP8。購入してからもう26〜27年位は経つでしょうか。購入の目的は当時小学生の娘がピアノ教室に通い始めたので、その練習用。でも、その後いつの間にか次第にお父さん(私)の専用機みたいになり、私が自分用にグランドピアノを買ってからも、新曲の試し弾きや夜間は、ヘッドホンが使えるこの電子ピアノが必需品となりました。今でも日頃のレパートリーメンテや、頼まれてパーティー等で演奏する前など、夜間に練習する事が多いので電子ピアノにヘッドホンが欠かせません。これまで書いた教則本や曲集の楽譜書きも、同じところを何回も弾き直したりして確かめるので、昼間でももっぱら電子ピアノにヘッドホンです。

そんな、分身のようなクラビノーバですが。
1年ほど前からボリュームを動かす時に少し雑音がする様になり、だましだまし使っていたんですが、最近は雑音が大きくなって弾く時のピアノ音も突然大きくなったり小さくなったり不安定になってしまったので、遂に修理(部品の交換)をすることにしました。

修理では楽器を預けないといけないかと思ったんですが、聞いたら自宅に出張して部品の交換をしてくれるらしい。それで土曜日の朝から時間を空けて、来てもらう事にしました。
「時間はどの位かかりますか?」
「そうですね。2時間位でしょうか」
へえ、ボリュームの部品を交換するだけで2時間も掛かるんだ。そう思いながらもお願いしたのですが。ところが…。

分解して中を開けるのを見たのは初めてですが。いやぁ、思ったよりずっと精密電子機器でした。狭い空間にびっしりとプリント基板が入っています。私は若い頃、電子機器メーカーでエンジニアとして働いていたことがあって、電子部品やプリント基板は見慣れているはずなんですが、それでも思った以上でした。
小さなボリュームの部品を一個取り替えるだけなのに、何枚もの基盤を取り外して分解していかないと出来ないみたいで。結局、予定の2時間を大きくオーバーしてしまいました。
(余談ですが。メーカーさん、一番痛みやすいマスターボリューム等は交換しやすい位置に部品の配置をしておいてもらうといいかなぁ、と素人なりに思ったところでした〜。もっともメーカーさんに言わせれば、20年以上も使ったら部品の交換じゃなくて買い替えを勧められるかもですが。でも簡単な部品一個変えればまだ立派に使えそうなので)

…で、やっと部品交換が終わったと思ったら。困った事態が!
部品交換が終わってテストしてみるも音が出ない!?いや、ガリガリの雑音が出ないんじゃなくて、鍵盤を叩いてもウンともスンとも言わない!修理前は雑音はしてもピアノの音は鳴ってたのに〜!

修理に来た人、また中を色々調べた挙句、困った様子で会社に電話。そして…。
「すみません、また改めて出てきますので。ご都合はいつがよろしいですか?」
えーっ、この先の週末は私も結構予定が入っているし…。この後と言うと…。もう3月になってしまいそうだし…。それまでずっと電子ピアノ使えないの?
で、結局翌日の日曜日、私は昼間出かける用事があったので夕方からということに。そして夕方からすっかり暗くなるまで掛かって、やっと完成。雑音も無く、スムーズに音が出るようになりました。とりあえず良かった!

娘の代から引き継いで、私のピアノライフを、本の執筆作業を、陰で(いつもヘッドホン使用なので)ずっと支え続けてくれているクラビノーバさん、これからもグランドピアノの横に並んで、まだまだ元気でよろしくお願いしますね。



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 おととい日曜日は、第3回の熊本城マラソン大会でした。前日には雪の影響による交通機関の乱れで出場者の受付時間が延長されたり色々あったようですが、当日は天気にも恵まれて賑わったようです。私も去年は出場…じゃなくて沿道の応援に行ったんですが、今年は午前、午後、夕方と用事が立て込んで、結局応援にも行けませんでした。知り合いのライブハウスの店長(30代女性)はフルマラソンに出場して完走したらしいです。その根性すごいっ!
それにしても、日本列島はあちこちで大雪に見舞われているようですね。ここ熊本市は雪は降っていませんが、影響を受けられている皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復旧をお祈りしています。

 
−an 弾手−


第486回

「Sweetな夜を〜。an弾手ライブのお知らせ」
[2014.2.25]

 夜遅く、携帯メールが鳴りました。見るとライブハウスの店長さんから。見出しは
『ご出演の件です』
ああ、そうだった、少し前にこの店のオーナーと店長さんに自分のライブの相談をしたんだった。この店で自分のライブみたいなことさせてもらえませんか?って。そしたら、「ああいいですよ」って言っていただいて、その場でライブのタイトルまで決まったんだった(バックナンバー第483回にその時の記事あり)。
そして具体的な事はまた相談します、って言ったまま、その後連絡してなかったなあ。

いえ、忘れていた訳でも放っていたつもりでもないんですけどね。一応自分のライブやるとなったら、それなりに内容考えたり自分なりに練習したりする必要があるけど、この先しばらくは夜も土日も結構予定が入っているし、さていつ頃だったら出来るかなぁ…と考えているうちに日にちだけが過ぎていたのでした。

で、メールを開いたら
『3月27日(木) 20:30から。Sweet Piano Night チャージ700yenでいかがでしょうか?出演者はan弾手(P)さんでよろしいでしょうか?』
すっかり段取り決めて頂いてました。いいも悪いも自分1人で考えていたら、またグズグズなっていつまでも決まりそうにないし。とりあえずその日に自分の用事が入っていない事だけチェックして、
『よろしくお願いします』
と即刻返信しました。という事で、あっさりan弾手のライブ予定が決まってしまいましたぁ。決まっちゃったらそれに合わせて準備するしかないですね。と言いながら…。実はそれからもう10日も経ってしまった!ん?まだ何も準備出来てないぞ!?
その間に前回のコラム第485回に書いたように我が家の電子ピアノの修理がやっと出来て、夜間のヘッドホン演奏が出来るようになりました。良かった。これが出来てなかったら大変な事になるとこだった。ずっと電子ピアノが使えなくなっていたので。

ということで、急いで準備しなくっちゃ。あとひと月ある、と言っても、本業の仕事以外にも3月23日のオハイエくまもと「とっておきの音楽祭」に向けて、パフォーマーの練習、出演者説明会やボランティア説明会の実施とその資料作り等の追い込みで、土日はもちろん、平日の夜も実行委員会が入ったりして結構落ち着かないのだ〜!

いやいや、いずれも自分がやるって決めたこと。楽しみながら感謝しながらやりましょう。

改めて、an弾手ライブの予定を書いておきます。

 

●an弾手 ピアノ・ソロ ライブ
【Sweet Piano Night】
癒しのピアノサウンドでSweetな夜を〜。

●日時:2014年3月27日(木)
19:30開店 20:30開演〔2セット〕
●場所:LIVE&DINING BAR「酔ing」(Swing)
熊本市中央区花畑町10−10 中山ビル2F
TEL 096−356−2052
●出演:an弾手(Piano Solo)
●Charge:700円
※チケット等はありません。当日お店へ直接おいで下さい。

 

癒し系の曲でSweetな夜が演出できる様なライブになれば、と思っているのですが…。構成や曲目はこれから考えます〜。
もしもお時間の都合が付くようでしたら、おいで頂ければ嬉しいです!



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 昨日の異業種交流会の卓話者は、元東京地検特捜部の方でした。リクルート事件、金丸信事件、東京佐川急便巨額背任事件などで捜査と裁判を担当されたそうで、事件捜査の裏話や大物政治家の人間性、組織をまとめるトップの力と思いやりの重要性など、普段なかなか聞けないような生々しい話を聞かせていただきました。
家に帰ってテレビをつけるとニュースはソチ五輪の特集。刑事事件とスポーツは別物でしょうが、どちらにも何だか人間のドラマみたいなものを感じてしまいました。

 
−an 弾手−


第487回

「また新たな共感の輪を夢見て」
[2014.3.4]

 これまでan弾手宛に頂いたたくさんのメール。それを日付順に遡って開きながら読み返してみました。その中からいくつか目に留まった文面の一部をコピーしてワードに貼り付けてみます。とにかくたくさんあるので、少し整理しないと頭がまとまらないのです。
何をしているのかと言うと…。

3回前のこのコラムでも触れましたが、講談社の文庫化作業です。8年以上前に出版された講談社+α新書の拙著「40歳からのピアノ入門」を見直し、時の流れと共に変わった情報や表現、そしてその後新たに加わった私自身の体験などを加味して原稿を見直し、新たに講談社+α文庫シリーズとして発売される、というものです。
情報や表現の経年変化(現在の状況とのズレ)は客観的にチェックしていけばいいのですが、私自身の体験をどう加味するか、というのは、単に客観的に見ればいいというものでもなく、たくさんある個人的な体験をどう取捨選択して、1冊の本の起承転結のドラマの中に加える事が出来るか?ということで、なかなか判断が難しい部分ではあります。
そもそも、先の本を書く時点で既に読者の方にいかに役に立つ話を興味深く伝える事が出来るか、という観点からエピソードや全体の構成を考えていますので、あまりいじってしまうと全体の構成そのものを大きく考え直す必要が出てきて新しい本の企画みたいになり、今回の出版社の意図とズレてしまいそうです。
そこで私が考えたのは…。

先の本ではあまり触れていなかった、このコラムや私の本の読者の方との触れ合いや、それを通して私が受け取る事が出来た新たな喜び。
私が大人になってからピアノを始めた時にまず思ったのは、何とか自分でもピアノが弾けるようになりたいということ。そしてやがてコード奏法に出会ってからは、自分の気持ちでピアノが弾けるという驚きと喜び。そして更に人前で弾ける楽しさ。そんな「自分自身」の喜びに新たな変化が起きたのが、このコラムやピアノの本を世に出すことによって、全国の見ず知らずの人達から、たくさんの共感のメールを頂けるようになった事です。そこには、私と同じように、大人になってからピアノと触れ合うことで広がるたくさんの人達の喜びの声が溢れていました。こう言うと大げさかもしれませんが「自分は一人ではない」、そんな思いが広がったのも事実です。

今回の文庫化では、そんな部分を少し加味できたらいいなぁと思います。とは言っても、章や項を大きく追加すると本全体の趣旨(この本の趣旨はan弾手の体験披露がメインではなく、その体験を通して得られた大人のピアノ上達の『ヒント』『ノウハウ』をいかに分かりやすく伝えられるか、がテーマ)や構成が微妙に変わってしまうので、難しいところではあります。
結局、ほんの少しですが数名の読者の皆さまからのメールをご紹介しながら、同じ思いの人が沢山いらっしゃることをお伝えできたら、と思っています。
メールの一部を引用させていただく皆さまには、直接個別にメールをお送りして、趣旨の説明や引用のお願いをさせて頂きました。快くご承諾いただいた皆さま、ありがとうございます。本当はもっともっと沢山の方のメールをご紹介したいのですが、上記の様な趣旨から今回わずかな方のご紹介になってしまいましたこと、心苦しく思っています。

ともあれ、9年の時を経て新たに講談社+α文庫として生まれ変わる本をきっかけに、また多くの人達と新たな共感の輪を広げていくことができたら嬉しいです。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 ほんとに早いもので、もう3月。今月末にはお花見、というのが信じられないようなこのところの冷え込みではありますが。皆さま、いかがお過ごしですか?
我が家の隣に広がる畑には、今、青い麦の芽が黒い土から伸びて、早春の陽射しの中にズラッと顔を並べています。まだ雑草のような風情ですが、あと2ヶ月ちょっともすると大きく伸びて穂を付け、一面セピア色の麦秋に染まっていくというのが信じられません。
人間社会のゴタゴタをよそに、静かにそして着実に巡ってくる季節の移ろいに、しばし癒されてみたいなぁと思ったりもしていますが〜。
(いやいや、そんなこと言ってる暇があったら次の仕事片付けなきゃ:笑)

 
−an 弾手−


第488回

「読者の方のお便りご紹介。大きな夢」
[2014.3.11]

 とてもうれしいメールを頂きました。読者(徳島県のY.Tさん、53歳・男性)の方からです。

大人になってから、『あるきっかけ』でピアノを始められ、いま大きな夢を抱いて取り組まれているようです。大きな夢、と言っても、コンクールに出ようとか人前でピアノを披露したいとか、そういう話とちょっと違うんです。今回、メールのやり取りで2回メールを頂いたのですが、1回目で「うれしいなぁ」と思い、2回目のメールで「そうだったんだ!」と、とても温かい気持ちになって、ちょっとウルッとしてしまいました。

最初に頂いたメールです。
…(前略)…当然のことながらピアノ続けています。1年ほど前より独学に限界を感じ、ピアノ教室に通っています(月に1回ですが)。
an弾手様の『パパも弾きたいピアノ入門』も発売後すぐに購入させていただきました。「千の風になって」は、落ち着いたアレンジですねとか、「めぐり逢い」のアレンジが美しいですねと先生もおっしゃっておられました。
はい、an弾手様の他の本も教室にどんどん持ち込んでいます。上記の曲の他、「戦場のメリークリスマス」や「さよならをするために」などが自分なりに弾けるようになり、幸せな気持ちになりました。これもan弾手様のすばらしいアレンジのおかげです。どのように考えたら、an弾手様のようなアレンジができるのかが、初心者の私にはまったくわからないため、多くの読者が希望されていますように、誠にあつかましいお願いですが、多くの曲をan弾手様のアレンジで世に出していただきたいと切に希望いたします。
現在、「ハナミズキ」や「オリビアを聴きながら」を練習していますが、an弾手様ならどのように弾かれるのかな、などと想像しながら練習しています。
…(中略)…
an弾手様が音楽指導をなさっているオハイエくまもとの活動は本当にすばらしい社会貢献であると思っています。私も大好きなピアノを通じて将来的に何か社会貢献ができればと思っております。
これからもピアノになぐさめられながら、また励まされながら続けていきたいと思います。
an弾手様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
御自愛のほどお祈り申し上げます。

とても嬉しいメールだったので、このメールをan弾手のコラムでご紹介させて頂けないかというお願いをしましたところ、すぐに了解のお返事ありました。
そしてそこには、この方がピアノを始められたきっかけや、現在抱いておられる夢がさりげなく綴られていました。
an弾手 様
メールをいただきまして誠にありがとうございます。
an弾手様のピアノ奮戦記は、毎週楽しみに読まさせていただいております。今度はそのコラムにご紹介していただけるとのこと、非常に光栄です。
50歳を過ぎてもピアノが生きがいになることが、ひとりでも多くの方に伝わればうれしいです。
私は実は、46歳の時に手術で右の腎臓を摘出しています。当時子どもも小さかったものですから仕事を休めないというプレッシャーからか、術後の鬱(うつ)になりまして悶々としていました。それを救ってくれたのがピアノでした。それも誰か他の人が弾いた音ではなく、自分が弾いたピアノの音だったのです。
(かわいいあの子、ヘ長調のB♭のコードとメロディーのきれいな響きに救われたのを今でも鮮明に覚えています。)
それで前回のメールにも「社会貢献」という言葉で表現させていただきましたが、今度はピアノで誰かを助けることができれば、と思うようになりました。自分がピアノを弾くことで、あるいは誰か悩んでいる当人にピアノを弾いてもらうことで、その人の気持ちを助けてあげたいと思うようになりました。
まだまだリズムがとれず、ヘッドホンの中だけの世界ですが、そんな高い目標に掲げ、これからもピアノを続けてまいります。
今後ともいろいろ御教示賜りますれば幸いでございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

いいお話ですね!私は思わず「たかがピアノ、されどピアノ」と呟いてしまいました。
ご自分がピアノに救われたという体験から、今度はそのピアノで誰かの手助けができればという思い。前回のコラムのタイトルではありませんが、私が知らないどこかで、こうして「共感の輪」を広げようとしておられる方がいらっしゃるということ、励まされます。
私もまた、思いを新たにさせて頂きました。ありがとうございました!



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 今日3月11日、熊本は抜けるような青空です。あの大震災から3年。犠牲になられた方、被害を受けられた方、そして今も辛い状況の中におられるたくさんの方に心からお見舞い申し上げたいと思います。
私もお手伝いさせて頂いているオハイエくまもとでは3月23日の音楽祭で「花は咲く」を歌います。皆で手話の動作を入れながら。以前テレビで「花は咲く」を聴いた時は正直言ってあまりピンと来なかったんですが、自分の体を使って手話の動きをしながら歌うと、気持ちに沁みて来るものがあります。やっぱり自分の体を使う、というのが違うのでしょうか。
たったそれだけの事ですが、やはり他人事ではなく、何事も自分の体で向き合うのが大切なのかな、と、ふと思ったりしています。

 
−an 弾手−


第489回

「またまた読者の方のお便りとご質問」
[2014.3.18]

 今回はまた、前回とは別の読者の方からのお便り(ご質問)がありましたので、そのご紹介と私からのお返事をご紹介いたします。
メールをいただいたのは、東京「弾手の会」のメンバーで、私も上京の折に何度かピアノを囲む会でご一緒したことがあるharimaoさん(男性)です。
話が長くなるので、ということで、ワードに書かれたものをメール添付で送っていただきました。

an弾手様、お久しぶりです。
最近私はピアノよりギターを頑張っているのが現状かも知れません。先日も「弾手の会」の皆さんがよく行かれる赤坂のライブハウス「カーサクラシカ」へ行ってきました。数ヵ月に1度「なんでもセッション」と称して、お店のピアニストがこちらの持参した譜面に合わせて弾いてくれます。歌(声楽、歌謡曲等)、フルート、ギター等々、ほとんど初見の譜面でこちらに合わせてくれます。私はギターを持参し「ウイスキーがお好きでしょ」のバック伴奏を弾き、ピアノでメロディーを弾いてもらいました。たまたまドラムをちょこっとやる女性がいたので参加してもらい、私はギターを弾きながら歌える範囲で「ウイスキー....」を唄わせてもらいました。ピアノ、ギター、ドラム、歌、と、ちょっとしたセッションで、まさに「何でもセッション」でした。いきなりの合わせなので失敗もありましたが楽しかったです。
それとピアノも弾きましたよ。「青春の影」を弾き語りで。相変わらず手が震えて、こちらもまあまあでしょうか。手が震えるのは永遠のテーマなんでしょうか??

いやいや、なかなか楽しそうですね!ギターに、ピアノに、弾き語りに、マルチにこなすharimaoさん。私も以前、弾手の会でご一緒した時、harimaoさんの弾き語り、聴かせてもらいましたよ。
で、そんな楽しい近況報告に続いて、いよい本題のご質問です。

さて前置きが長くなりましたが、本日は、曲の途中から転調する時の事について質問させていただきます。添付の譜面「シェナンドー」は、もともとハーモニカの譜面なんですが、地元の音楽仲間と「この曲をやろうよ!」って事になり、結論として譜面はCなんですが、最初はハーモニカのソロで半音下げのBで吹いて、リピートで繰り返す2回目になったらCに転調して、ベース、ギター、サックスが入って演奏しようということになりました。
そこで、B→Cに転調する場合、私なりに単純に考えると、ワンコーラス終った後にCのドミナントであるG7を入れて、続いてCに持ってくれば素直に転調出来るかと思いますが、いかがでしょうか?
ただ、それでOKだとしても、何かありふれたというか、つまらない様に感じます。普通、転調する時はもっと段々盛り上がっている様な気がするんですが。
例えばコードを幾つかはさんで(つなぎのGの後にAを入れるとか、さらにその後にF→G7→Cとか、にして)みるとかっこいいような気がするのですが、いかがでしょうか。
そもそも、転調するのは、曲の雰囲気を変える場合に行うのでしょうか?何かルール(パターン)があるのでしょうか、あるいは「こういう風にやるとかっこよい」ってのがあるのでしょうか?

なるほど、曲の途中での転調のやり方、ですね。
ご質問に対する私の考えは、次回(来週)このコラムに書いてみたいと思います。



(続く→原則毎週火曜日更新)

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ちょっと、ひと言。
 すっかり暖かくなりました。お昼休みに外に出ると、明るい日差しの中で「ちょっと遠回りをしてみようか」という気分になります。
昨日は会社近くの遊水地をチラッと歩いてみました。ススキの原はまだ枯れたままですが、同じ枯れススキでも明るい日差しの中でちょっとのどかに見えました。ススキの間の水面には数羽のカモの姿も。少し前まではもっとたくさんいたと思うけど、そろそろ北へ渡って行ったのかな。
 
−an 弾手−


第490回

「またまた読者の方のお便りとご質問」そのA
[2014.3.24]
前回の第489回で、東京「弾手の会」のharimaoさん(男性)からのご質問をご紹介しました。今回はそれに対する私のお返事です。
前回とダブりますが、まずご質問の内容を改めて載せてみます。

 
さて前置きが長くなりましたが、本日は、曲の途中から転調する時の事について質問させていただきます。添付の譜面「シェナンドー」は、もともとハーモニカの譜面なんですが、地元の音楽仲間と「この曲をやろうよ!」って事になり、結論として譜面はCなんですが、最初はハーモニカのソロで半音下げのBで吹いて、リピートで繰り返す2回目になったらCに転調して、ベース、ギター、サックスが入って演奏しようということになりました。
そこで、B→Cに転調する場合、私なりに単純に考えると、ワンコーラス終った後にCのドミナントであるG7を入れて、続いてCに持ってくれば素直に転調出来るかと思いますが、いかがでしょうか?
ただ、それでOKだとしても、何かありふれたというか、つまらない様に感じます。普通、転調する時はもっと段々盛り上がっている様な気がするんですが。
例えばコードを幾つかはさんで(つなぎのGの後にAを入れるとか、さらにその後にF→G7→Cとか、にして)みるとかっこいいような気がするのですが、いかがでしょうか。
そもそも、転調するのは、曲の雰囲気を変える場合に行うのでしょうか?何かルール(パターン)があるのでしょうか、あるいは「こういう風にやるとかっこよい」ってのがあるのでしょうか?
 

(以下、an弾手からのお返事です)
基本的に転調では、harimaoさんがおっしゃっているように、次のKeyのドミナントを使って橋渡しをすればいいと思います。
ただ、おっしゃるように、段々盛り上がって、という雰囲気があった方がドラマティックですよね。この、盛り上がって、という部分ですが、聴いている人に「おっ、Keyが変わったぞ!」と期待感を持たせるわけですね。
このKeyが変わった!と思わせる要素としては、それまで演奏していたKeyのダイアトニックコードにないコードが出てくると、いかにも変わった!という印象を与えると思います。例えば、今回の例では、まずKey=Bで演奏しているとすると、Key=Bのダイアトニックコードは

ですね。
これに出てこないコードを使うとなると、例えば最初の話のG7を使うという例では

となり、コードG7はKey=Bのダイアトニックコードにないので一瞬転調した感じになりますが、そのまますぐにCに進むので転調の雰囲気が一瞬で終ってしまって、少し物足りないのかもしれません。
そこで、BとG7の間にコードA、コードFを挟んでみると

となって、AはKey=Bにないコード、FはKey=Aにないコードなので転調の感じが2回続いて、少しドラマティックになるかも知れません。
その後は
とKey=Cのダイアトニックコードに進んで、自然にKey=Cに転調していく、という感じでしょうか。

ただ、これはあくまでも「ドラマティック」に転調させたい場合で、逆に、自然にいつの間にか転調させたい、というケースもあるかもしれません。
その時は転調前のKeyと転調後のKeyのダイアトニックコードの中に共通しているものがあれば、それを介在させて自然に次のKeyに移っていく、という方法もあるかと思います。
ご質問の例ではKey=BとKey=Cでは共通するダイアトニックコードはありませんが、あえて考えればKey=BのコードEとKey=CのコードEmでしょうか。
これを使ってその後になどと進行していつの間にかKey=Cに移っていけば自然と転調した感じになるのではないでしょうか。

という感じで、少しはお答えになりましたでしょうか。
また何かありましたら、いつでもメールください。ありがとうございました!



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
ひと月前のコラム第486回でもお知らせしましたが、私のソロライブが今週の木曜日(3月27日)に迫ってきました。このところオハイエくまもと・とっておきの音楽祭の準備その他で何かとせわしなく、あまり準備もできないまま直前になってしまいました。
ま、今さら焦っても仕方ないので、後は何とか自然体でいけたらと思っています。ここに改めて書いておきます。

●an弾手 ピアノソロ トークライブ
【Sweet Piano Night】
癒しのピアノサウンドでSweetな夜を〜春の叙情歌と洋楽スタンダードを中心に。
●日時:2014年3月27日(木)
19:30開場 20:30開演〔2セット〕
●場所:LIVE&DINING BAR「酔ing」(Swing)・軽食とお酒のライブバー
TEL 096−356−2052
熊本市中央区花畑町10−10 中山ビル2F
(銀杏北通り・喫茶アロー右隣のビル2F)
●出演:an弾手(Piano Solo)
●Charge:700円
※予約、チケット等は必要ありません。当日お店へ直接おいで下さい。
 
−an 弾手−
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