第531回 「58歳のTimさんからのメールご紹介。YouTube演奏あり!」
そのA
[2015.1.27]
 前回ご紹介しましたTimさんからのメールの続編です。
 約1年前から、私の「目からウロコのピアノ速習法」他の本を手にされてピアノのコード演奏にチャレンジされているとか。そんなやり取りの中で、実はピアノより先に4年前からサックスを始められているというお話がありました。そして、ご自身の演奏をアップしたYouTubeもご紹介頂きました(下の文章中のリンク先より)。
 Timさんの気持ちのこもったサックスの演奏、そしてご自身の人生への思いを込めたメッセージロールが素晴らしいです。

  an弾手様
 早速、お返事ありがとうございます!そう言えば、講談社の文庫本「大人のピアノ入門」も持っていましたので、5+1冊でした!

 改めて私の自己紹介をさせてください!
 本名、篠原巧、米国駐在中にアメリカの同僚に付けてもらったTimを帰国しても使っています!1956年2月生まれ、後2ヶ月で59歳になります!

 an弾手さんの考えに全く同感、今からでも遅くないと思って、4年ほど前にサックスを始めました!楽譜も全く読めず、音感は家族に笑われる始末、それでもめげずに頑張っています!
 以下、Timオジサンの今の実力を聴いて下さい!
 http://www.youtube.com/playlist?list=PLOWYBocJDlwGEta5fx6Cm0PScpO_5IO79

 (〜中略〜)
 もう一つの宣言はan弾手さんが3ヶ月でライブデビューしたことに刺激を受け、私は2015年6月までに私のピアノソロ演奏をYouTubeにUploadしますね!
 こうしてan弾手さんに宣言してしまいましたので明日から左手8度、10度のコード弾きを練習します!
 6月前にan弾手さんに報告しますね!

  (an弾手より)
 素敵な演奏をご紹介頂いてありがとうございます!
 また、こうして次の目標を公言してしまうと、自分のモチベーションにつながりますよね。
 それに、私はピアノコード奏法3ヵ月でのライブバーデビューでしたが、Timさんは既にYouTubeで世界デビューされているんですね!
 ピアノのソロ演奏Uploadも楽しみに待っています!

 Timさんはまた、同じ様な気持ちで大人ピアノ(楽器)を楽しんでいる沢山の方たちとの輪が広がったら、ともおっしゃっています。このコラムの場がそんな皆さまをつなぐひとつのきっかけになったら私も嬉しいです。
 読者の皆さま、ご自身のそれぞれの近況とかTimさんへのメッセージとか、何かありましたらお気軽にお寄せ下さい。
 (an弾手メール)
 piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 一昨日の日曜日、午後から熊本県農業公園カントリーパークで開催中の「JA植木まつり」に行ってきました。春の気配を味わってみようかと思って。
 広〜い会場には、小さな苗や鉢物、盆栽から大きな庭木、モデル庭園まで、たくさんの木々が並んでいました。私は植木の相場はよく分かりませんが、値札を見たら枝振りのいい大きな庭木が15,000円とか25,000円?ここまで育てる月日と手間を考えたら、その安さにびっくりでした!
 食事や食べ物のテントもズラーっと並んでいて、家族連れで大賑わい。春の息吹も胃袋も、しっかり楽しめた休日でした。

 
−an 弾手−


第532回 「Still Myself」 [2015.2.3]
 2nd Stageが始まりました。
 そこまでの1st Stageでは、ピアノ、ベース、ドラムの、ジャズ・スタンダードナンバーで盛り上がっていたライブ。休憩の後は静かなピアノソロでのスタートです。
 その夜は「中田由美ジャズライブ・PIANO JAM vol.1」。これまで地元熊本のプロピアニストとして数々の実績を重ねている中田由美さんから「新プロジェクトをスタートしますから!」との案内を頂いたのでした。

 ちょうどその日は、お手伝いしているオハイエくまもとの実行委員会と重なっていたのですが、委員会を1時間で中座してライブ会場へ向かいます。会場に入ると、ズラッと並んだ丸いテーブル席が、数人ずつのグループでほとんど埋まっていて、空いているのは一番前のピアノの目の前だけ。おひとり様の私は、結局そのかぶりつきテーブルを独り占め、って形に。
 すぐ目の前で、ピアノの鍵盤から由美さんの指の動きまで丸見え!う〜ん勉強になるわ、と思いながら一人ドリンク。

 失礼、話がそれました。
 静かなピアノソロでの2nd Stageのスタートです。曲は、由美さんのオリジナルで熊本の街の様々な風景を描いた近日リリース予定のCDから「雨の船場橋」、そして既に発売されているCDの中から「Still Myself」。
 この「Still Myself」、由美さんのMCによると「友人から、『このタイトル、英語的におかしくない?』って言われたんですけどね。まぁ私の気持ちとしては『自分らしく』っていうニュアンスなんですよね」と。

 なるほど『自分らしく』ね。そう聞いて、思わず由美さんのピアノ人生を自分なりに追想してしまいました。聞くところによると由美さんがピアノを始めたのは5歳の時。保育士だったお母さんからピアノ教室に連れて行かれたそうです。その後音大を卒業してピアニストに。既にピアノとのお付き合いは40ウン年?。そんなベテランピアニストの由美さんが「今日は私のピアノの新しいプロジェクトスタートの日です」と言ってライブタイトルにvol.1と付けている理由を説明してくれました。今回は、鹿児島、東京でそれぞれ活躍中のドラマー、ベーシストとのトリオ結成の初ライブだったようです。そしてオリジナル曲「Still Myself」(自分らしく)の演奏。

 そう、自分らしく、と言えば。
 私はコラム第529回の「え?何で突然、中森明菜?」の中に「カバー曲でも、そこに中森明菜としての世界・物語を創っていきたい」という彼女の言葉を引用していましたっけね。an弾手にとっては、あの中森明菜や音大卒でピアノ歴40ウン年のベテランピアニストさんとは次元が違い過ぎるのですが、それでも最近よく思うのは『ピアノで自分なりの物語を語る』ということ。
 もちろん、自分が知らないたくさんのことを学び体験した上で、その向こうに見えてくる『自分なりの』が本物だとは思うのですが。

 でも……
 いつやるの?今でしょ!(え?古い?:笑)
 ベテランからたくさんのことを学び体験する努力はしながらも、同時に今すぐにでも『ピアノで自分なりの物語を語る』という想い、追求したいなぁ、とつぶやくan弾手なのでありました。



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ちょっと、ひと言。
 自宅から車で15分、週末によくウォーキングに出かける飯高山の隣に、森を切り開いて工事が進んでいる場所がありました。南向きの斜面に大きなコンクリートブロックが数百個も整然と並んでいます。ソーラー発電らしい。
 このところ売電制度がどうの、とかいう話を聞きますが、それでもソーラー発電は広がっているんですね。パネルが並んだらどんな風景になるのか、とりあえず楽しみにしていましょう。
 
−an 弾手−


第533回 「中学の同窓会で急きょ演奏の巻」その@ [2015.2.10]
 開宴の30分前、会場のライブハウス着。既に店内では20人程の人が幾つかのテーブルに分かれて話をしています。
 その日は中学の同窓会。毎年この時期に居酒屋で開いていたのですが、今年はちょっと趣向を変えてライブハウスで盛り上がろうという事になったのでした。

 私は後ろの方の空いているテーブルに掛けます。するとその奥のテーブルにいた5人程のグループの一人が声を掛けてきました。
 「やあ、久し振り!」
 見ると、以前からあちこちのライブの店でよく見かけていたバンドマンの人だ。もちろん、中学の同窓生ではありません。
 「あ、久し振りです〜! あれ、今日はここで演奏ですか?」
 「そ。後で2setやらせてもらいますから」
 改めてそのグループの人達を見たら、そうそう、男性3人、女性2人、みんなどこかで見かけたようなバンドの人達でした。
 「最近は主にどこら辺で演奏してるんですか?」
 とか
 「あのライブハウスは以前は良く行ってたけど、オーナーが代わってからあんまり行ってないんですよね〜」
 とか、夜の街の世間話にひとしきり花が咲きます。

 そのうちにそのバンドマン、私に向かってこう聞いてきました。
 「ところで、最近はピアノどうですか?」
 「あぁ、ボチボチ楽しんでますよ」と答える私。
 すると、横にいた店のオーナーから思いがけないひと言が。
 「そうだ、今ちょっと弾きませんか?まだ始まるまで20分ほどあるし。ウェルカムピアノ、ってことで」
 「え〜!?今日は弾くつもりで来てないんですけど〜」と私。
 すると、横にいたバンドのメンバーも一斉に私の方を見ながら
 「お願いしますよ〜」だって。

 『そうですね〜、じゃ折角ですから…。こんなハプニングの為にも日頃からレパートリーのおさらいやってるんでしょ、自分』って心の中で自分に言い聞かせながら椅子を立ちます。

 席の半分位(30〜40席位?)埋まってザワついている店内をピアノまで歩いて行きます。幹事さんに声も掛けてないけど、勝手に弾いちゃっていいんかな?場内への挨拶MCもなしで突然弾き始めちゃいますけど〜。
 バンド演奏用に、椅子の右側と目の前の譜面立ての所にキーボードがセットしてあるグランドピアノの前に掛けます。そして弾き始めました。
 そうしたら……演奏の途中で思いがけないハプニングが!
 (次回、第534回に続く…)



(続く→原則毎週火曜日更新)

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ちょっと、ひと言。
 もう立春から1週間も経ちましたが…。寒いっ!
 今朝はここ熊本でも氷点下で、朝、家から出ると隣の畑は真っ白な霜。そんな中にズラーッと並んだ麦の芽の緑が鮮やかでした。
 緑の芽、と言えば。会社近くの坪井川遊水地の枯れ野の中にも、いつの間にか点々と緑の塊りが顔を覗かせています。私は植物の名前に詳しくないので何の芽か分かりませんが、去年の春先を思い出してみると、ひょっとして菜の花? 時々時間を見てはこの辺りを歩くのですが、これから行く度に目にするであろう変化する風景、早送りの映像の様な自然のドラマを見るのが楽しみです。
 
−an 弾手−


第534回 「中学の同窓会で急きょ演奏の巻」そのA [2015.2.17]
 その日、ライブハウスであった中学の同窓会。
 開会前に会場に行ったら、久し振りに会う知り合いのバンドメンバーがいて世間話に。そしたら横から店のマスターが
 「そうだ、今ちょっと弾きませんか?まだ始まるまで20分ほどあるし」と声を掛けてきました。そんなこんなで急きょan弾手がウェルカムピアノを弾くという展開に。
 で……演奏の途中、思いがけないハプニングが!
 (前回第533回からの続きです)

 何を弾くかも考えがまとまらないまま、とりあえずピアノの前に掛けてCのコード進行のタラタラアドリブ弾き。
 店のPAさんがちゃんとピアノマイクをONにしてくれたみたいで良く鳴ります。では、いつものパターンではありますが、まずはダニーボーイから。
 少し弾き進んだ時です。誰かがピアノに近づいて声を掛けてきました。
 「お〜、久し振り〜」と。
 誰だろうと思ってそちらを見たのですが。いつの間にかこちらに向かって舞台のスポットライトが当たっていたようで、人の姿は完全に逆光、真っ黒いシルエットで顔が見えません。眩しさに目を細めながらとりあえず「ええ、ああ…」って訳の分からない返事をしていたら、アチャ〜、指がおろそかになってミスタッチしちゃたじゃないか〜!

 気を取り直して、っと。
 2曲目はKey=Gのパラパラアドリブを入れてから「ヴェニスの夏の日」。3曲目はKey=Fアドリブをイントロ風に入れて「浜辺の歌」。
 ところが、浜辺の歌を弾き始めてから気が付きました。
 『あ〜っ、この2曲、どちらもエンディングで転調するコード進行のパターンが同じだった!(X7−Y♭−Z♭−T)』
 (参考までに:Key=Gのヴェニスの夏の日はD7−E♭−F−G、Key=Fの浜辺の歌はC7−D♭−E♭−F)

 (…と、2月17日にこのコラムアップしたのですが、その後何となく違うような気がして改めて思い出してみたら、ちょっと勘違いしていました。すみません。浜辺の歌のエンディングはX7−Y♭−Z♭−Tではなく、X7−Wm−Tで弾いてました〜。つまりKey=FではC7−B♭m−F。どちらも一瞬転調した雰囲気になるのは同じですが、X7−Y♭−Z♭−Tは高揚感があるのに対してX7−Wm−Tはマイナーが入るので、どちらかと言うとちょっと切ない余韻が残る雰囲気です。)

 事前にあらかじめ演奏曲を考えてから弾く時は、似たようなパターンが入っている曲は連続しないようにするんですが、そこまで考えず曲のKeyが被らないようにと弾き始めてしまった〜。ま、浜辺の歌の最後を転調させずに普通にC7−Fで終われば被らないけど、この最後の転調がこの曲のアレンジのミソだし〜。しょうがないか、せっかくなのでそのまま転調パターンでエンディング〜!

 ふぅ、思い付くままの3曲、とりあえず弾き終わって立ち上がります。会場からはパチパチパチと拍手が。ま、ウェルカムピアノなので拍手を頂くようなものでも無いのですが。ま、ありがとうございます!
 席に戻ったら、バンドマンの皆さんも温かい笑顔でうなずきながら迎えてくれました。

 でも実際、今の演奏どうだったんだろう? 最近は結構、日頃からレパートリーおさらいやっているつもりだったのですが、それでもいきなりだとやっぱり弾きながら所々不安な所もあったりで反省することしきりです。

 ところで、肝心の同窓会は?
 卒業以来数十年振りに会った友人と話が盛り上がるわ、ステージではプロのバンドの演奏で盛り上がるわ、しばし外の寒さも忘れた夜でした。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 一昨日の日曜日は、熊本の春の風物詩・野焼きを見ようと思って阿蘇に行ったんですが。
 カブト岩展望所、大観峰、そして一旦阿蘇谷まで下りて中岳の草千里まで上がってみましたが、見渡す限りの茶色の草原にはどこにも野焼きらしい炎も黒い焼け跡も見えませんでした。
 ところが家に帰って夜のテレビニュースを見ていたら、阿蘇の野焼きのシーンが出てきて「あれ、どこでやってたんだろう?」と思ってしまいました。これから3月にかけて、あの広大な草原のあちこちに赤い炎が走り一面黒くなっていくことでしょう。また日をあらためて行ってみたいと思います。
 
−an 弾手−


第535回 「春3月、東京・弾手の会のお知らせ」 [2015.2.24]
 またまた、東京「弾手の会」開催のお知らせを頂きました。
 前回は昨年11月16日に開かれましたが(このコラム第516回参照)、それから4ヵ月振りの開催です。

●日時:3月15日(日)
13:00〜17:00(4時間)
●場所:「シンフォニーサロン」1階103号室
http://www.symphonysalon.com/
・地下鉄東西線「門前仲町」駅 徒歩5分位
●参加費:シンフォニーサロンの会場使用料(4時間1万円)を参加人数で割った金額
●参加資格:音楽好きな大人なら誰でも可(事前に幹事、中島さんまでご連絡ください)
●使用楽器:会場にピアノあり。その他、各自楽器持ち込み可
※お問い合わせ、お申し込みは、幹事・中島さんのメールまで

fnakajim@cnc.jp

 
以下、幹事の中島さんから弾手の会会員宛に頂いたお知らせメールの一部です。

 
 〜シンフォニーサロン103号室のピアノでたっぷりと4時間(前回と同じようにきっとアッと言う間に過ぎるでしょう)。シンフォニーサロンは気軽に低料金でいい演奏会ができるところです。
 HPを見ると何ヵ月先までの予約でいつもいっぱい、今回は坂井さんのご協力で予約していただき、ありがとうございました。
 早速私は自分で特訓中の(?)クラシックを2曲持ち込みたいと思います。森宅さんはシンセサイザーをご披露されるとおっしゃってました。
 いつものように和気あいあいと、飲食しながら演奏とおしゃべりを楽しみましょう。
 ここは各自飲食持ち込み自由ですので嬉しいですね(門前仲町駅出口に食べ物がたくさん揃っている大きなスーパーがありました)。
 皆様のお時間許す限り是非、楽しみにしております♪
 改めてまたご連絡いたします♪
 

 という事で、もしご興味おありの方は参加してみられませんか?
 「演奏会」というと何だか大げさですが、ピアノ教室が主催するような、かしこまったものではなく、ピアノなど楽器好きの大人が三々五々自由に気軽に集まって和気あいあいと「弾きっこ?」したり音楽の話題で盛り上がったり持ち込みの飲食を楽しんだり、というざっくばらんな会です。自分では弾かずにお話と飲食だけで他の人の演奏を聴くだけ、でも多分OK(笑)
 前回の「弾手の会」でも、初めての方が参加されて皆さんと一緒に楽しく過ごされたようです。
 私an弾手は残念ながら今回参加できませんが、これまで何度も「弾手の会」に参加させて頂いて、気さくな皆さんと一緒にとても楽しい時間を過ごさせて頂きましたよ。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 昨日、一昨日は、「春一番」が吹いたらしいですね。
 私は仕事(本業)の勉強会で、ちょっと京都に行ってました。天気が悪くなりそうで寒いかな、と思っていましたが、とても暖かくて、持って行ったコートもいらないくらいでした。
 これでまた一歩、春に近づいたでしょうか。
 
−an 弾手−


第536回 「第6回とっておきの音楽祭、出演者説明会でした」 [2015.3.3]
 RKK熊本放送局の6階会議室。ズラッと長テーブルとイスが並んで、前方の壁には『オハイエくまもと』の横断幕。
 「すみません、遅くなりました!」
 入り口の受付にいる事務局の人に声を掛けて中に入ります。
 先日の土、日は、3月22日開催の『オハイエくまもと第6回とっておきの音楽祭』の出演者説明会でした。いえ、私が出演するんじゃなくて私は説明する方で。

 『オハイエくまもと』についてはこのコラムでもこれまで何回か書いたことがありますが、知的発達障害のある人たちを中心としたオハイエ音楽隊(パフォーマー)にボランティアの音楽指導者が毎月2回の音楽練習(楽器演奏、歌、踊り)を続けるとともに、年1回、障がいのある人もない人もプロもアマも一緒に音楽を楽しむ『とっておきの音楽祭』を開催しています。
 私も数年前から音楽指導者として、また『とっておきの音楽祭』の実行委員としてお手伝いさせてもらってるんでした。

 今年の『とっておきの音楽祭』は、
平成27年3月22日(日)
熊本市中心街の9会場(屋内1:熊本市現代美術館ホームギャラリー、屋外8:熊本交通センター・センターコート、NTT西日本前、城彩苑、びぷれす広場、下通アーケード@、下通アーケードA、新市街アーケード、産業文化会館跡地)
開催時間: オープニング・熊本交通センター・センターコート10:15〜10:45
各会場11:00〜15:00 
フィナーレ・熊本交通センター・センターコート16:00〜18:00

 今年の出演はアマ、プロ合わせて90団体。ゲストとして宮崎から自閉症で聴覚障がいのピアニスト野田あすかさんが出演されるほか、NTT協力による光デュエット回線でハンセン氏病の恵楓園からの演奏を会場大型ビジョンで映像生中継。
 またオハイエ音楽祭発祥の地、仙台からゲストで荒川知子ファミリー、あんべ光俊さん、熊本のプロミュージシャンのチャーリー永谷さん、豊田隆博さん、サザンコピーバンドとして有名なカワムラバンドなど、沢山のバラエティー豊かな出演者で盛り上がりそうです。

 私は昨年まで屋内会場の熊本市現代美術館担当だったんですが、今年は新市街アーケード会場を担当することになりました。
 新市街の出演者は10団体。説明会では当日の受付・出演時間、出演団体毎の使用機材やステージセッティングの確認などをしました。
 一通りの説明が終わって雑談をしていたら、バンドをやっているという出演者の人から、私も知っているライブハウスの名前が出てきました。
 「あ、そこ知ってますよ。私も以前よく行ってました」と言ったら
 「そうでしょ、私、どこかであなたの顔見たことあるような気がしてたんですよ」
 と言われて、ついつい話が盛り上がってしまいました。
 後でその人の出演申込書の出演希望理由欄を見ていたら「わくわくする音楽を沢山の人と共有したい」とあって、思わずほっこり。
 当日は、沢山の人と素敵な時間を共有しましょう!



(続く→原則毎週火曜日更新)

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ちょっと、ひと言。
 上の本文の内容とダブりますが、音楽祭前日の3月21日は前夜祭が開かれます。その会場が、なんと肥後54万石の殿様、細川家で元総理大臣の細川氏の私邸の庭園。ここは江戸時代を通じて肥後熊本藩主・細川家の菩提寺であった「龍田山泰勝寺」跡で国指定の史跡にもなっており、日頃は立ち入ることが出来ない場所です。
 当日は熊本の食の台所「田崎市場」や細川邸のボランティアさんたちの季節感あふれる食事やお酒もふるまわれ、北海道、大阪、九州など、遠来のゲストの色々な演奏や参加者同士の交流が楽しめます。入場チケットは一般3,000円、大学生以下と障がいのある方1,500円で、事前予約でどなたでも参加できます。
 
−an 弾手−


第537回 「3月、何だか忙しくなってきた!」 [2015.3.10]
 夜帰宅して食事してちょっと一息いれると、時刻は10時過ぎ。さて、今夜もちょっと触っておきますか。
 という訳で、電子ピアノの前に掛けます。少し前に構想を考えてみた曲順とMC。今回はどんなストーリーを語っていくか。あと2週間後に迫ったライブハウスでの演奏をイメージしながらシミュレーションです。

 今回はいつもとはまたちょっと違った「人前ピアノ」になりそうです。私が参加しているある異業種交流会の会長さんと数名の会員の方が、昨年7月のan弾手ピアノライブ「Sweet Piano Night」に来て頂いたのですが、翌月の例会の時、会長さんから
 「いつか、この前のライブの店で例会をしましょうよ」
 というお声掛けがあって、幹事さんに根回し?
 そして今月3月の例会はそのライブハウスを貸切って開かれることになったのでした!
 その会のメンバーの中には交響楽団の団員でトロンボーンをされる方や、趣味でフルートを吹かれる方もいて、
 「みんな楽器持ってきて楽しくやりましょうよ」
 とも言われたのですが。
 「もしセッションとかするんだったら早めに言って下さいね〜!その時ぶっつけ本番じゃ自信ないですからぁ〜」と私は予防線(笑)
 当日いきなり楽譜を持って来られても、クラシック用でコードの表記が無いと難しいんですよ〜。伴奏はソロで弾くのと全く弾き方が変わりますしね〜。

 幹事さんに当日の進行や演奏の手分けを事前に打ち合わせしましょうよ、って言ってるんですが、まだその気配なしで。ま、スタートから30分はan弾手タイムを頂くことにしましたので、とりあえずはその30分の自分の準備をしておかなくちゃ、という訳です。

 季節は春。3月下旬は桜の開花の時期でもありますね。そんな話題も入れながら、春の歌を中心に、その前後に少し違ったテーマの曲も混ぜながら自分なりのストーリーを……などと考えています。
 また、演奏する曲と曲の間にMCを入れていくだけではなく、自分の「ストーリー語り」MCのバックに自分でピアノのBGMを入れていく、という、昨年のライブでも挑戦した演出も考えています。
 とは言っても、これがめちゃめちゃ難しくて。いわゆる弾き語りの様に、語り(歌)と伴奏が一つの曲としてシンクロしている場合はともかく、文字通りのしゃべり言葉とリズムも違う演奏を同時にやるのは、頭も指も混乱します。そうは言っても、あと2週間で何とか格好付くようにしなくちゃですね。

 おっと、その前に3月22日にはオハイエとっておきの音楽祭本番もあったなぁ。一昨日の日曜日は高校生ボランティアへの説明会でした。前の日には前夜祭もあるし。そっちの準備や打ち合わせなんかで、まだまだ結構時間取られそうだなぁ〜。



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ちょっと、ひと言。
 少し前のコラムの「ちょっとひと言」に書きましたが、2月中旬に阿蘇に行った時は広い草原のどこにも野焼きの気配はありませんでした。で、一昨日の日曜日、午前中のオハイエボランティア説明会と夜の予定の合間を縫って急いで阿蘇まで行ってみたら。先日まで茶色一色だった見渡す限りの草原がほとんど真っ黒!ちょっと遅かった!?
 あたり一面、焦げた匂いが漂い、空も風景も煙で白くかすんでいました。そんな中、遠くに点々と赤い炎が見えていました。
 やがて、この黒々と広がる原野に小さな芽が顔を出し、見る見る緑の草原に変わっていくことでしょう。阿蘇の春の始まりです。
 
−an 弾手−


第538回 「小さな、気付きの“ひとしずく”」 [2015.3.17]
 「あ、こんばんは」
 駐車場で車を降りたら、いきなり声を掛けられました。見るといつも仕事でお世話になっている熊本市駐車場公社の担当者の方。
 「今日はありがとうございます!」

 その日は、熊本市駐車場公社が主催する第1回熊本アートフェスティヴォ!受賞者ガラコンサートを観に来たのでした。
 「え?駐車場公社がコンサート?」と思われそうですが。
 熊本市駐車場公社では駐車場の管理以外に、文化ホールの管理運営や様々なイベント、文化活動の主催、支援などにも取り組まれています。
 その日はアーティスト発掘事業の一環として実施された第1回アートフェスティヴォの受賞者によるコンサートが開かれたのでした。
 テーマは「愛」。愛をテーマに、音楽を通して伝えたいメッセージをいかに表現するか、というのが審査基準の一つだったようです。

 私は出演者や受賞者のことは何も知らずにそのコンサートに行ったのですが、ステージが始まったらあっという間に引き込まれてしまいました。想像を超えた演奏レベルの高さもありましたが、いわゆる「上手な演奏」のコンサートとはまた違った「何か」を感じたような気がしたのです。
 「何か」って……?

 受賞者最初のステージは「聴衆賞」のORANGE。若いバイオリンの男性とピアノの女性のDUO。活動7年目でお互いに楽器講師をしながらラジオ、テレビ出演、学校、施設、各種イベント、ライブハウスでの定例ライブなどをこなしているらしい。この日のステージでは特別にパーカッションを加えて3人での演奏でした。
 オリジナル曲の「ORANGE」、「幻想」の他、荒井由実の「やさしさに包まれたなら」、葉加瀬太郎の「情熱大陸」など、テンポと迫力にあふれた演奏はもちろんですが、曲の合間にバイオリンの男性が語るフレンドリーなMCにも引き込まれました。審査公演の時、聴衆の投票で1位に選ばれたという「聴衆賞」というのが納得できるような、ステージの息遣いが伝わってくる空気感。ことさら『愛』を具体的に出さなくても、しっかりと温かいものを感じました。

 受賞者ステージ2番目は「審査員特別賞」の、こちらもバイオリンとピアノのDUO。但し、まだ中学生の女子二人。華やかなドレス姿で登場した二人は身長も高くてとても中学生には見えませんでした。演奏も中学生離れ!
 しっかりしたMCと「アメージング・グレイス」「Let it go」「万讃歌」「七つの子」、東日本復興支援ソングの「花は咲く」等の演奏。
 「これからも音楽の道を目指したい」と語る二人の可能性に『愛』いっぱいの声援を送りたくなるようなステージでした。

 そして受賞者ステージ3番目は「大賞」受賞のフルートアンサンブル’90。ピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルート、コントラバスフルートなど、数種類のフルートで構成された10人程の女性だけのアンサンブルです。結成から25年、九州、関西、四国などで多彩な演奏活動を続け、今年は浜松で開かれる日本フルートコンヴェンションにも出場するらしい。
 「私たちは、『愛』というテーマを『郷土愛』と捉え、ふるさと熊本を愛する曲を選びました」とのMC入りで、演奏されたのは「くまモン体操」「熊本郷歌」そして「火の国旅情」。「火の国旅情」は手元のプログラムに挟んであった歌詞カードを見ながら、フルートの演奏をバックに会場のみんなで一緒に歌うという演出。ステージと客席が『郷土愛』をテーマにひとつになったような瞬間でした。

 さて、コンサートが始まってすぐから感じていた「何か」……。それをan弾手流に(我田引水的に?)分析してみると。
 このところずっと自分なりのひとつのスタイルに出来たら、と思っている「ストーリーを語る」ということ。私はまだまだ試行錯誤の段階ですが、今回『愛』というテーマでそれぞれの出演者がそれぞれのパフォーマンスを通して「語って」くれた「ストーリー」。「なるほど、こういう語り方もあるんだ!」と気付かされたことがたくさんありました。
 それは小さな気付きの“ひとしずく”だったかも知れませんが。
 少しでも自分の意識の奥に沁み込んでいってくれればと思います。

 ※なお、資料で確認しましたらORANGEは今週末開催のオハイエくまもと第6回とっておきの音楽祭の下通りアーケードZARA前会場や前日の細川邸庭園・前夜祭にも出演されるようです(とっておきの音楽祭についてはバックナンバー第536回参照)。



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an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 明日3月18日は彼岸の入りですね。早っ!
 週末によく歩いている飯高山にも、ミツマタの花が咲き、草むらにフキノトウが顔を覗かせていました。桜の便りが届くのも、もう時間の問題でしょうか。
 今週末(3月22日)には熊本市中心街一帯でオハイエくまもと第6回とっておきの音楽祭が開催されます。私は新市街会場担当で、11時から15時まで出演者のフォロー、その後交通センターでのフィナーレに移動です。が〜、先日打ち合わせしたら、担当者は当日朝7時半集合だと!(笑)
 年に1回のとっておきの音楽祭、皆さまに楽しんで頂けるよう頑張りますので、どうぞ足をお運びください〜。
 
−an 弾手−


第539回 「夢のあるお話、ありがとうございます」 [2015.3.24]
 『娘と一緒にパルコ6階の某楽器店に立ち寄りました。娘は同じ階のアニメイト目掛けて一目散に行ってしまいましたが…』

 …って、今回はまた、私のコラムと本の読者の方からのメールご紹介です。
 メールの主は、この3月で小学校を卒業する娘さんがいらっしゃるお母さん。実はこのお母さんから初めてメールを頂いたのはその娘さんがまだ幼稚園の頃だったっけ?もう随分長いメル友歴になりますね。

 さて、メールの続きです。
 『ここの楽器店では10代から50代くらいの方たちが楽器を鳴らしていました。私もキーボードをポロリンと鳴らしていました(なんせ楽譜なしで最後まで弾ける曲はごくわずかしかありません)。
 そのうち、ふと視線を感じ思わず顔を上げると、70歳は超えていると思われる細身の品のよい女性が、私をじっと見ていました。声を掛けるのは少し恥ずかしかったので、しばらく下を向き、an弾手さんの楽譜では何度も練習して暗譜してあるムーンリバーを弾きました。
 そうしたらその女性から拍手が!
 「ずいぶんお上手ですね」
 彼女からそう話し掛けてくれました。
 聞くと、その女性はピアノを弾きたいがどうしてよいかわからない。孫の付き添いでこのパルコに来たが、孫はアニメイトへまっしぐら(これはうちといっしょですね)。
 ピアノを自由自在に弾けるようになりたいとは思わないけど、生きているうちに1曲だけでも弾けるようになりたい、とのことでした。
 私はan弾手さんのコラムで知った、70代でもコード奏法を学んで楽しく練習されている方のこと、ピアノ譜どおりに弾かなくてもよいことなど、つい力説してしまいました。
 その女性が弾けるようになりたいという曲は「ムーンリバー」とドクトルジバゴの「ララのテーマ」でした。偶然2曲とも私の弾ける曲だったので、そこでがんばって弾いてしまいました。
 そして私も、ピアノは全く弾けなかったけど、コード奏法を学んで自己流だけど今は楽しく弾けるようになったこと、私くらいのレベルならすぐに可能であることなど、お話しました。
 その楽器店にはan弾手さんの洋楽スタンダードの本はなかったけど、日本の抒情歌があったので(an弾手注:お父さんのためのピアノ曲集・コードで弾く懐かしい日本の抒情歌)ご紹介したら、コード奏法とは何ぞや?を学ぶため女性は購入されました。弾けるようになられるといいですね!』

 なんか、夢のあるお話ですね!それに、私の本をご紹介頂いたとの事、ありがとうございます(笑)
 日常の中でピアノと友達になること、そしてそんな日常の中で思わぬ出会いがあること。別にそれほど特別なことじゃなくても、それって考えてみると幸せなことですよね。私もこうしてお会いしたこともない遠いメル友のお母さんと、そしてそのまた偶然の出会いの70代の女性と、ピアノを通してどこかで想いが繋がっている。そんな奇跡が、他にもまだまだ私の知らないどこかで起こっているのかなぁ、などと想像すると、本当にありがたい事だと思います。感謝です。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 この前の土曜日、細川邸庭園。とっておきの音楽祭前夜祭で訪れたら、桜のツボミがほころび掛けていました。春の気配が漂う庭園で2時間。熊本はじめ、仙台、東京、大阪などからのゲスト演奏と、熊本の食の台所・田崎市場から刺身、寿司、春野菜の天ぷら、細川邸ボランティアの方たちのおでん、たこ焼き、そしてお座敷では肥後古流抹茶のおもてなし。
 翌・日曜日はオハイエくまもととっておきの音楽祭本番。障害のある人もない人も一緒に街中で音楽を楽しみ、音楽の力で「心のバリアフリー」を目指そうという趣旨で、熊本市中心街9会場で総勢700名の出演者、100名の運営スタッフ、200名の高・大学生ボランティア、そして沢山の観客・市民の皆さんと一緒に朝10時から夕方6時まで盛り上がりました。
 いいお天気に恵まれ、市内の桜も一斉に開き始めたようです。
 
−an 弾手−


第540回 「旅立ちの日に」 [2015.3.31]
 『お母さんが前にいると緊張するから後ろに座ってよ、と娘から言われていたのに、ママ友が前の席をキープしてくれていたので結局一番前の席に着席することに。やがて、厳粛な雰囲気の中で娘の卒業式が始まりました』

 小学6年生の娘さんを持つお母さんからメールを頂きました。ポカポカ陽気に恵まれた3月某日、娘さんの卒業式だったそうです。

 『校長先生のお話、来賓の方のお話、卒業証書の授与が終わると、娘のピアノ伴奏で合唱が始まりました。「ふるさと」、そして「旅立ちの日に」。あとで本人は、緊張してたよと言ってましたが、とてもそうは思えず、見事に弾き切りました。
 私は「ふるさと」の最初のところで涙が止まらなくなりました。6年前の入学式の時、新しいこの地で誰1人知る人もなく、娘も私も不安で一杯でした。夫の転勤とはいえ、慣れ親しんだ土地を離れるのはつらいものでした。娘は小学校で一番楽しかったのは、たくさんのお友達が出来たことなんだ〜と話していました。ピアノがうまく弾けることでもなく、勉強が出来ることでもなく、そうだね、お友達が出来たことが一番楽しかった、そう言えて良かったと思いました。お友達が財産だね。
 そして、その卒業式の中でサプライズがありました。娘の出身幼稚園から祝電をいただいたのです。この小学校に入学したのは娘だけなのに、6年前に卒園した、たったひとりの生徒のために祝電を送ってくださった幼稚園の先生方、人の縁の尊さを思わずにはいられませんでした。
 卒業式が終わり、食事会を済ませ、娘の卒業を祝うため私はピアノの弾き語りをしました。サイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」です。練習はしていたんですが、どうもうまく弾けず途中で放棄。途中からは娘に弾いてもらいました。えーっ、耳コピーとかできるんだ〜、いろんな曲をアレンジできるんだ〜、と感心しながら、娘の成長を喜んだ一日でした。私も続きは娘の中学卒業までに、もっとうまく弾けるようになっていることを希望しつつ、これからも音楽に親しんでいこうと思いました』

 読んでいて心に沁みるようなお便り、ありがとうございます。
 6年間の学校生活の中で、お友達という掛け替えのない財産を得られ、そして卒業生を代表して卒業式で合唱のピアノ伴奏を見事に弾き切られた娘さん。そのお姿は何物にも代えがたい、娘さんからお母様への贈り物になったことでしょう。その後お母様が娘さんに贈られた「明日に架ける橋」の弾き語りも、『途中で放棄』って、たくさんの思いが込み上げて来て感極まられたのでしょうか。
 母娘お二人の新しい旅立ちの日に、心からお祝いを申し上げます。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。
 すっかり春の陽気になり、あちこちお花見の話題で持ち切りですね。桜の名所と言われる様な豪華絢爛たる桜の下で大勢の人と賑やかに過ごすのも楽しいですが、あまり人がいない森の一角にひっそりと花を咲かせている桜にも心惹かれるものがあります。
 3日前の土曜日、私が週末によく足を運ぶ飯高山も数本の桜の木が五分咲きに。穏やかな日差しの中、数組の親子連れの家族が近くでお弁当を広げていました。
 時折、森の中に響くウグイスの声。……静かな春の午後でした。
 
−an 弾手−
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