第661回 「読者の方からのご質問・an弾手お勧めの楽譜本は?」 [2017.10.3]
 読者の方からご質問メールを頂きました。

 『今年3月末で定年退職し、これからの趣味としてピアノを始めました。いろいろ調べているうちに、貴殿のホームページにたどり着きました。コード奏法については多少知っていたこともあり、「これだ!」と思い、御著書を知ることとなり、早速4冊を購入いたしました』

 私の本を4冊も買って頂いたんですね。ありがとうございます! 定年後の趣味のピアノ、いいですね! それもコード奏法で始められるとは、ピッタリですね(と、手前味噌のコメントですが:笑)

 『7月から毎日欠かさず練習しております。本当にありがとうございます。まだまだ、滑らかに演奏することはできていませんが、少しずつ、ほんとうに少しずつですが、上達していることは感じています』

 7月から始められて、既に上達していることを感じていらっしゃるとは、素晴らしいと思います。
 それでは、肝心のご質問の内容です。

 『お願いがあるのですが。市販されているピアノの楽譜は、大きな書店などに行くと、たくさん並んではいるのですが、なかなかこれといったものを見つけることができません。an弾手様がお勧めになるような楽譜本をご存じであれば、お教えいただければありがたく存じます』

 分かりました。私の本を4冊購入されて、7月から毎日練習されて、そして今では大きな書店などで楽譜本を探しておられる、ということは、色々な曲を弾かれたいのでしょうね。確かに、大きな書店や楽器店の楽譜売り場にはたくさんの楽譜が並んでいますが、その多くはクラシック系の二段楽譜によるピアノ譜です。ポピュラー系の曲だと楽譜の上にコードネームは書いてありますが、やはりあの二段の五線譜に音符がギッシリ並んでいる楽譜を弾くのはちょっと気が重くなりそうです。もっと気軽に自由に気持ちのままにピアノを弾きたい、というのが、私がコード奏法を始めたきっかけでもありました。
 そんな私が、コード奏法を始めて間もない頃に買って夢中になって弾いていた楽譜本をご紹介しましょう。
 普通ピアノの楽譜といえば菊倍版(228×303_)サイズの大き目でちょっと薄い本が一般的です。でも、そんな楽譜売場の一角に、ちょっと小さ目なB5版サイズの分厚い本も並んでいるかと思います(多分)。プロフェッショナル・ユースと書かれた曲集で、一冊に300〜800曲程が掲載されています。
 楽譜は全てリード・シート(メロディーだけの音符にコードが振ってあるもの)です。コード奏法に慣れると、このシンプルなリード・シートが実に弾き易く感じますし、コード奏法の練習にも持ってこいです。私は休みの日など、この本をめくりながら、次々に違う曲を何時間も弾き続けたりして楽しんでいました。リード・シートだけではなかなかうまく弾けない、という方は、ぜひan弾手のコード奏法の教則本をご覧ください(と、ここで宣伝?:笑)
 夜の街のライブハウス等に行くと、この手の本がピアノの横にさりげなく積んであったりします。まさにプロ・ユースです。
 私の手元にある本を少しご紹介しておきましょう。

 ・「永遠のポップス」@ベスト458
 ・「永遠のポップス」Aベスト358
 ・ニューミュージックのすべて・ベスト507
 ・BGMのすべて・ベスト320
 ・歌伴のすべて・ベスト800
 ・フォークソングのすべて・ベスト723
 ・フォーク&ニューミュージック
 (以上、いずれも全音楽譜出版社刊)
 書名の最後の数字は、その本の掲載曲数です。

 上に書いた本の掲載曲は、ほとんどが時代を越えたスタンダードナンバー的な曲なので、人によっては古く感じるかも知れませんが。他にも、最近の曲を集めた同じようなスタイルの本があるかも知れません。大型書店や楽器店の楽譜コーナーで確認されてみてください。



(続く→原則毎週火曜日更新)

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ちょっと、ひと言。

 つい先週まで、会社ではエアコンを入れたり扇風機を回したりして暑さをしのいでいましたが。それが昨日から急に寒くなって、ふと「あれ、ちょっと暖房入れなきゃ」なんて気になったりして思わず笑ってしまいました。10月になったとたん、一気に秋がやって来たみたいです。
 これからいよいよ、街なかの道端や郊外の里山では沢山の木々や草が色付いていくことでしょう。楽しみです。

 
−an 弾手−

第662回 「音楽を楽しむって、どういうこと?」 [2017.10.10]
 音楽の楽しみ方、って話になったら、ケース・バイ・ケースで人により様々なシチュエーションがありますのでとてもひと言では表現できないでしょうが。
 でも、自分で演奏する楽しみにしろ人の演奏を聴く楽しみにしろ、「へぇ、こんなのもあるんだ」と体験することで、色々と触発され自分の感性の広がりにも繋がっていくのかな、と、最近また改めて思ったのでした。

 ひとつは、十日前に行った教会での日本の歌コンサート。実は昨年11月に初めて行ったソプラノ歌手福嶋由記さんの「日本の歌コンサート 雪月花」(バックナンバー第619回に掲載)に続き、一年振りに聴く福嶋由記さんのコンサートでした。
 今回は同じ日本の歌でも、テーマが「子守唄」。2時間近くのコンサート演奏曲目が全て子守唄でした。
 日本の抒情歌として知られている「揺かごのうた」や「七つの子」、「叱られて」などをはじめ、日本の各地で歌い継がれてきた子守唄、例えば熊本では「五木の子守唄」「福連木の子守唄」、長崎の「島原の子守唄」、京都の「竹田の子守唄」、岡山の「中国地方の子守唄」など、昔、よその村へ子守り奉公に出された子供たちの様々な思いがこもった子守唄の数々。いつもながら、天から降ってくるような福嶋由記さんの声が、天井の高い教会礼拝堂の中にマイク無しで美しく響きました。
 十字架の架かった礼拝堂と、日本の古い暮らしに根差した子守唄とが、違和感もなく溶け合っていました。

 もうひとつは四日前に行った、お寺?でのJAZZライブ。お寺、と言っても、水前寺成趣園の中にある能楽殿ですが。
 日頃はここで伝統ある能が演じられているのですが、その同じ舞台でJAZZの演奏でした。題して「〜水前寺でJAZZ〜お月見会」。
 出演は、何とan弾手がこれまで3回、セルフプロデュースライブSweet Piano Nightをさせて頂いたライブハウスのオーナー野本秀一さん(ピアニスト)とそのお仲間の皆さん。
 夕暮れ迫る頃、能楽殿前の広い屋外芝生広場には沢山の人が集まり、お月見団子とススキが飾られた舞台の上で、ジャズのサウンドが弾けました。
 あいにくの曇り空で満月のお月様はなかなか顔を出してくれませんでしたが、ライブの後半、雲の切れ間から真ん丸いお月様が顔を覗かせると、会場のあちこちから「お〜っ」という歓声が上がり、沢山の人が空を見上げていました。

 教会での日本の歌、お寺(水前寺能楽殿)でのJAZZ。どちらも不思議とマッチした雰囲気で、私はその場の空気に浸りながら、いつの間にか自分の音楽(ピアノ)にも広がりがプラスされていくような思い(妄想)に取りつかれていました。
 色んな環境、シチュエーション、きっかけ、人との出会い、そんなものが絡み合って音楽の楽しみ方も広がっていくのだなぁ、と改めて思ったのでした。

 そう言えば、先日は私もお寺のご住職さんからそこの本堂での演奏を打診されたばかりだし。また、この先ちょっと新しいシチュエーションでの演奏を構想しているところでもあるし(詳細は話が具体的になったらご報告します〜)、まあ、そんな新しい展開をイメージすることで、日頃の単調になりがちな練習もちょっと気分が変わって出来るのでは、なんて思ったところです。皆さまはどんな思いで練習に励まれていますか?



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ちょっと、ひと言。

 昨日(10月9日・体育の日)、綺麗な秋晴れの空に誘われて、阿蘇・南外輪山の俵山まで行ってきました。あ、歩きの登山じゃなくて車ですが。
 去年の熊本地震で阿蘇方面の道路や橋も沢山壊れて通行出来なくなっていましたが、俵山峠を越える道は(一部迂回路経由ですが)現在通れるようになりました。私は地震後初めて峠へ通じる道を車で走ってみました。
 峠間近の「萌の里」物産館も復活し、すぐ横に広がるコスモス畑が山の斜面を鮮やかに彩っていました。
 遠くを見渡すと連なる山肌に沢山のススキの穂。まだ真っ白にはなっていませんでしたが、もう少ししたら山全体が白いススキの波に覆われることでしょう。

 
−an 弾手−

第663回 「もう一つの新たな世界に繋がっていく音楽の世界って?」 [2017.10.17]
 久し振りでした〜、ここでピアノを弾くのは。

 熊本市内から車で郊外へ、やがて山道を走ること約1時間半。九州山地の山懐に抱かれた清和物産館でのこと。
 その日は清和の山里にある大川阿蘇神社の境内・農村舞台で、薪の灯りに照らされて演じられる人形芝居「薪文楽」を観に行ったのでした。
 まだ陽の明るい時間に着き、フラッと物産館のレストランを覗いてみたら。以前から何かとお世話になっている元館長さんとばったり。
 「あら、今日はありがとうございます」
 「いえ、こちらこそ。今日は薪文楽を楽しみに来ました」
 と、ご挨拶をする間もなく、元館長さんの口から出た次の言葉が、
 「あ、ちょっとピアノ弾いて下さい」
 そう言いながら、レストランの隅にあるピアノの蓋を開け、ササッと椅子を置いて
 「はい、どうぞ!」って。
 相変わらずのウムを言わせぬこの素早さ(笑)。

 レストラン内は既にランチタイムの営業が終わった後で、その夜の薪文楽公演の中入りで振る舞われる重箱弁当の準備をされている地元のおばさんたちが10人程。

 私は「え〜っ、突然ですね」と言いながらも、何だかそういうシナリオになっていたかの様に(?)ピアノの前の椅子に座ります。
 とりあえず、いつもの様にダニー・ボーイから。弾いていると、後ろからおばさんと元館長さんの会話がかすかに聞こえてきます。
 「これダニー・ボーイっていう曲ですよ」
 と説明している元館長さんの声。おばさんたちには何の曲か分からないみたい。弾き終わって、そのまま2曲目は「スター・ダスト」。
 2曲目が終わると、元館長さんが近くへやって来て
 「あの〜、みんなが良く知ってるような曲はないですか?」と。
 そうですね〜、という訳で。
 Key=Dmのコード進行の即興でイントロを弾いた後、ちょっと物悲しいメロディーのテーマを弾き始めます。「花かげ」。これならご存じでしょ?
 弾き終わったら
 「これ懐かしい〜」「えっと、何ていう曲でしたっけ?」
 とおばさんたちが数人、話し掛けて来られました。
 「花かげですよ」と言うと「あ、そうそう!」と。
 で、続いて「赤とんぼ」を弾いてピアノの蓋を閉めたら、
 「え? もう終わりですか? まだ弾いて下さいよ〜」「今夜の公演で演奏されるんですか?」「東京から来られたんですか?」
 と何人ものおばさんたちから次々に質問が。
 いえいえ、私は薪文楽を観に来ただけですから〜。熊本市内から〜。

 えっと〜すみません、今回のコラム、単なる自慢話か? と思われそうですが(笑)
 ピアノ(音楽)って、初めて会った見知らぬ人達ともこんなに気持ちを通わせることが出来るんだと改めて感じたので。

 更に、その後物産館で買い物をしていたら、見知らぬ男性から声を掛けられました。
 「もしかしてan弾手さんですか?」と。
 えっ? 初めて会うのに、私の事をいきなり「an弾手」と呼ばれるとは、一体どなたでしょう?
 「私、an弾手さんの本を持っているんですよ。ピアノに興味があって」と。
 「わぁ、ありがとうございます!」
 という訳で、しばし立話が弾んですっかり親しい人になってしまいました。

 更に、公演の中入りで振る舞われた重箱弁当の食事の席では。
 隣りに架けられたのが、何と熊本県の副知事さん。名刺交換をして話しているうちにピアノ話になりました。すると副知事さんが
 「私は沖縄の三線弾き語りをやってるんですよ。コンクールで受賞したこともありまして」と。
 え〜っ? スゴイ! 思いがけず、副知事さんとお互いの趣味の音楽話で盛り上がりました。

 あ、本題の「薪能」は。
 人形1体につき3人の人形遣いによって感情を吹き込まれ命を宿す人形、その人形と観客とを一気に人情味豊かな別世界へ連れて行ってくれる浄瑠璃三味線の重厚な音色、そして全ての登場人物の喜怒哀楽を1人で語り分ける太夫の義太夫節。
 夕方からの雨で神社境内農村舞台での公演は出来なくなり、文楽館内舞台での公演となりましたが、170余年の伝統ある人形芝居、久し振りに堪能させて頂きました。

 次元は違いますが、その日弾かせてもらった突然のピアノとそこに居合わせたおばさんたち、偶然出会ったan弾手本の読者の方、音楽談義で盛り上がった副知事、そして伝統ある人形浄瑠璃の世界。どれもが耳に響く「音楽」の世界を媒体として、もう一つの新たな世界に繋がっていくような、そんな気持ちにさせてくれた「清和薪文楽」の一夜でした。



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ちょっと、ひと言。

 この前の週末から雨のお天気が続いています。今週末までずっと雨が続きそうです。気温も下がって寒くなってきました。いよいよ秋本番でしょうか。
 そう言えば、仕事でも来年のカレンダーの注文が重なってますし、郵便局に行くと年賀状の案内チラシを頂くし、何だかせわしない気分になってきました。
 まあ、焦らずに、もうしばらくは秋の静かな風情を楽しみたいと思います。

 
−an 弾手−

第664回 「美術館のギャラリーでピアノ演奏」 [2017.10.24]
 この度、美術館のギャラリーでピアノを弾かせてもらうことになりました。

 場所は、熊本市の繁華街、中央区上通町にある「熊本市現代美術館」のホームギャラリー。落ち着いた空間の天井には光のアーティストとして知られる(?)アメリカのジェームズ・タレルが創作した光の天蓋が神秘的な空間を演出し、部屋の周りの壁にはユーゴスラヴィアのアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチ創作のユニークな本棚があり、そこに置かれた様々な分野の本を、だれでも自由にギャラリー内の椅子でゆったりと読書できるようになっています。そして、ギャラリー前方隅に置かれたグランドピアノ。

 ここでは時々コンサートが開かれたり、私もお手伝いしているオハイエくまもとで毎年3月に開かれる「とっておきの音楽祭」では、街なか10ヵ所以上の会場の一つとして、このホームギャラリーが使われています。

 日頃は、このギャラリーを訪れた人たちが本を手にして椅子に掛けている静かな空間です。そして、毎日夕方7時から7時半まで、この静かな空間にピアノの音が流れます。ピアノ演奏ボランティアの人によるBGM演奏です。今回、私もそのピアノボランティアに登録させて頂きました。

 以前から、このホームギャラリーをたまに訪れた時など、静かでオシャレなピアノの音が流れているのを聴いて、いいなぁ、と思っていました。その時は、まさか自分がそこで弾くとは思いもしなかったのですが。
 半年ほど前、私の知っている人がそこで演奏しました、という話を聞いて、えっ?もしかしたら自分も弾けるかも〜、と急に身近に感じるようになりました。調べてみたら、ここで弾くのはピアノ演奏ボランティアに登録している人だというのを知り、美術館に問い合わせたら、ボランティアの募集・受け付けは毎年9月の1回だけだと。
 という訳で、9月になって申し込み、やっと先日ボランティア研修会に参加し正式に決まりました。

 申し込んだ時に、「何か、資格とか経歴とか必要ですか?」と聞いたら、特に必要ないとの事。ただ、30分間弾き続けられること、それも静かな空間でのBGMにふさわしい曲をと、完全に自己責任制(笑) ひょっとしたら実技試験があるかも? な〜んて思ってましたが、それも無しでした〜。
 ま、こちらが信頼にお応えできるようにしなくっちゃ、ですね。

 で、私はいつ弾くのか? 他のピアノボランティアの人たちとのスケジュール調整次第ですが、とりあえず今のところ12月頭頃が最初の予定です。



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ちょっと、ひと言。

 超大型の台風21号が襲来! 皆さまの所は大丈夫でしたか? 熊本の私の周りは多少の雨風はありましたが、あまり大した事もなく過ぎたようです。
 昨日のお昼、昼食後に会社近くの遊水湿原を歩いてみました。吹き戻し(?)みたいな風が吹いていて、広〜い湿原地の中の白いススキの穂が揺れていました。
 見上げると、青い空に白い雲。ちょっとだけ空が高くなったような気がしました。

 
−an 弾手−

第665回 「楽しめる目標を持つ」 [2017.10.31]
 お洒落でゆったりとした空間。ふっくらとしたソファーに身を沈めて寛いでいると、やがて静かに演奏が始まりました。お洒落なピアノの音が流れていきます。

 ここは熊本市現代美術館のホームギャラリー。実は前回のコラムでご報告しましたように、私もこのギャラリーでのピアノ演奏者として登録させて頂いたので、他の方がどんな演奏をされているのか少し聴かせてもらおうと思って、先日早速、演奏時間の午後7時少し前に寄ってみたのでした。
 そうしたら。あまりの素敵な演奏にビックリ! というと弾かれている方に逆に失礼かも知れませんが。型通りのクラシック風でもなく、かといってあまり砕けたポピュラー風でもなく、夜の街的なジャズ風でもなく。
 どれも私の知らない曲でしたが、この素敵な空間にピッタリの心に沁みるような演奏で、しばらく目を閉じて聴いていたらウトウトッと眠りに落ちそうになりました。

 やばっ! 私もこれまでライブハウスでのan弾手ライブとか、レストランやパーティーの席でのBGM演奏など色々経験してきたので、今回の演奏者登録の際も30分のBGM演奏だったらどうってことはないか、な〜んて心のどこかで思っていた節もあったのですが。その日の演奏を耳にしたら、急にハードルが上がってしまいました(笑)
 演奏の最後も、演奏終了時間の7時30分ピッタリに最後の曲の最後の音がスーッと消えていくという見事なパフォーマンス。おそらく一般の人は、その最後の音が消える時間の調整までは気付かれないと思いますが、演奏する者としては曲の最後を持ち時間にピッタリ合わせるというのは結構気を使うところなんです。
 綺麗な女性の方でしたが、かなり経験豊富な方だという気がしました。

 さてさて、私も感心ばかりしている訳にもいきません。やがて自分の出番が回ってきますので。でも聴きに行って良かったです。いい刺激になりました。

 何事も「目標を持つ」って大事ですよね。ピアノの練習にしても「この曲を弾けるようになりたい!」という目標を持って練習している人は多いでしょう。
 でも考えてみると、ひと口に「目標」といってもそこにはいくつかの次元があるような気がします。
 憧れのあの曲を何とか自分でも弾いてみたい、とか、とりあえず弾けるには弾けるけど、この部分をもっとスムーズに弾けるようになりたい、とか、楽譜通りではなく、自分なりに少しアレンジを加えてみたい、とか。
 更に、そんな自分の内側だけの目標ではなく、あんな場所で弾いてみたいとか、こんな人達と一緒にピアノを通して楽しい時間を共有してみたい、とか。
 そういう目標があると、同じ「練習」でもその密度や充実感や成果が随分違ってくるのではないでしょうか。

 私もとりあえず当面の具体的な「目標」が出来ました。曲の選定、演奏順、曲毎の演奏時間確認、曲と曲の間の時間調整的な即興タイムの設定、そしてもちろん曲の弾き込み。
 これからしばらく、楽しみながらやってみたいと思います。



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 10月も、いよいよ31日となりました。明日から11月、年末の足音がスタートですね。身近な緑地や里山は、まだあまり彩付いていませんが、これから深秋の彩が急速に進んでいくのでしょうか。それもまた楽しみではあります。
 今年は変な台風が何度も来たり、秋になったはずなのに長雨が続いたりと不順な天気が多かったですが、昨日あたりからやっと秋らしい青空が広がってきました。
 天候に気分が左右されやすいan弾手ではありますが。これからしばらく、こんな青空のような気持ちで過ごせたらいいなぁと思っています。

 
−an 弾手−

第666回 「心の耳で聴く。風の彩を見る」 [2017.11.7]
 『森の中の自然の木や草にも命があるんだ。そんな自然の声を心の耳で聴いてごらん。そしてそこに吹いてくる風の彩を見てごらん』
 森の中で柳の木の精霊と語り合う酋長の娘ポカホンタス。

  いつもの事ながら、最後はウルッと涙が出そうになってしまいました。今年も行ってきました。NHK熊本児童合唱団定期演奏会。
 2年前のこのan弾手コラム、第563回にも感想を書いていますが、「児童合唱団」という名前から想像するイメージを遥かに超えた、本格的で素晴らしいステージでした。
 そして、毎年このコンサートで特に楽しみにしているのが第3部のミュージカル。本格的な舞台装置と衣装、子供とは思えない演技・歌唱力で楽しませてくれます。

 時は1607年。イギリスの港から新大陸を目指して出航した大遠征隊。数ヵ月の大航海の後、新大陸アメリカに上陸します。そこは豊かな自然に満ちたバウワタン族の土地。酋長の娘ポカホンタスは大自然の中を走り回り、いつも自分の未来を夢見ていました。
 一方、遠征隊に同行してきた探検家ジョン・スミスは1人で先住民の偵察に出掛け、森の中でポカホンタスと出会います。全く異なる世界に住む2人ですが、やがて心を通わし、愛し合うようになります。
 しかし、先住民の土地で我が物顔に振る舞う遠征隊とバウワタン族との間はやがて険悪となり、ジョン・スミスはバウワタン族に捕虜として捉えられ、遂に戦いが始まります。
 その時、その間に身を張って立ちあがったのがポカホンタスでした。「戦いではなく、共に手を携えて未来を!」という彼女の説得に、やがて遠征隊の戦士達は鉄砲を置き、バウワタン族は捕虜のジョン・スミスの縄を解きます。
 そして遠征隊がイギリスへ帰る時。ジョン・スミスがポカホンタスへ「一緒にイギリスに行こう」と誘いますが、彼女はこの大自然の土地に残ることを選びます。
 「私の心はあなたと共にいます。これからも心の耳で私の声を聴いて。吹いてくる風の彩を見て」と。

 すみません、ちょっと、あらすじが長くなってしまいました(笑)
セリフの内容等は私のうろ覚えの記憶で書いていますので、細かなところは違っているかも知れませんが。

 それにしても、音楽で語られていくストーリー。その中でも『心の耳で聴く。風の彩を見る』という言葉に惹かれました。
 これって、音楽そのものですね。物理的に耳に聞こえる音だけではなく、その奥に秘められたものを心の耳で聴くこと。そして、目には直接見えないけれど、そこに吹いてくる風の彩を見ること。

 そんな想いが人の心を動かし、音楽の楽しみを一層味わい深いものにしてくれるのでは、という気がしました。



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 この前の休日、あまりに綺麗な秋空に惹かれて、自宅近くの里山に行ってみました。もう何度も行った場所ですが、こんな所に道が?と思うような茂みの中に入っていくとやがて小さな踏み分け道が現れます。森の中には沢山の小鳥たちのさえずりが響き、木漏れ日の妖精たちが飛び交っていました。
 やがて、その森を抜けたところに忽然と現れたのが、赤い鳥居の世継宮というお宮。さっきまでの小鳥のさえずり、木漏れ日の妖精たちの乱舞が、今度は七五三の親子連れの華やかな衣装と賑やかな声に変わりました。
 まさに『心の耳で聴く。風の彩を見る』がぴったりの場面展開。ピアノの演奏にも、そんな雰囲気を反映出来たらいいなぁ、と思いました。

 
−an 弾手−

第667回 「素敵な演奏に出会えた夜。ハイティートークの会の後で」 [2017.11.14]
 ビルの小さな外階段から地下に下りてドアを開けると、オシャレなピアノの音が聞こえてきました。温かな雰囲気の照明に照らされた広〜い店内。棚からカウンターまでズラ〜ッと数千本?のボトルが並び、ソファー席の壁には美術館を思わせる名画が幾つも展示されていてゴージャスな雰囲気です。
 「この店に来るの、久し振りだなぁ」と思いながら入って行ったら、マスターがススッと出迎えてくれて、「どうぞ、こちらへ」と案内してくれました。
 「この辺りが、ピアニストの顔が良く見えますよ」と案内されたカウンターの一角に行ったら、演奏中の女性ピアニストと視線がバッタリ。
 あ、知ってる人だ! この方、これまでも色んな所で演奏されているのを見掛けてましたが、この店でも弾かれているのは知らなかった。向こうも一瞬ビックリしたような顔をしながらも、笑顔で会釈してくれました。

 その日は、お菓子の香梅ハイティートークの会に出席した後、会場となったホテルのすぐ近くのそのバーを、久し振りにちょっと覗いてみたのでした。
 ハイティートークの会とは、香梅提供の同タイトルの週一ラジオ番組にゲスト出演した熊本の文化芸能関係の人が年に一回集うパーティー。私も以前、ピアノ教則本の出版、ということで出演させてもらったので。

 ふと気が付くと、カウンターの少し離れた席に、さっきまでハイティートークの会に出席されていた顔見知りの方も。「あ、先ほどはどうも」と言いながら、離れた席に座ったまま少しお喋りしてしまいました。

 それにしても、このピアノ演奏の何と素敵な事。こんなお洒落な空間にピッタリのユッタリと心地よい曲が流れていきます。いつもよく行くピアノバーのジャズ系のピアノとはまた違った癒し系。このピアニストの演奏はこれまでもあちこちで聴いたことがありましたが、今この空間に流れているサウンドは全く別物でした。その時々の雰囲気に合わせて弾き分けているんでしょうか。さすがプロの技ですね。

 しばらくして演奏が終わり、ピアニストはカウンター奥のマスターの所に行って何か話をしています。やがてマスターがこちらに近づいてきました。
 「○○さん(私の本名)、少しピアノ弾いてくれませんか?」
 えっ! ナニ突然に? それにこちらのマスターお会いするのは初めてだと思うんだけど、どうして私の名前知ってるの?
 そうかぁ、さっきピアニストがマスターと何か話していたのは私の事だったのか?
 「さ、どうぞどうぞ。このスタンウェイのアンティークピアノ、なかなか良いですよ」
 カウンターの離れた席に掛けている顔見知りの人も、笑顔でこちらを見ながらうなずいています。

 「いやぁ、あんな素敵な演奏の後に私なんかが弾いたら、雰囲気ぶち壊しになるでしょ」
 そう言いながらも、その場の空気には逆らえず(?)席を立ってピアノの前へ行きました。えっと、何を弾こうかなぁ……。
 それじゃあ、最近よく弾いている曲の中から。「酒とバラの日々」と「ひまわり」、2曲だけ〜。
 弾き終わったら店内の皆さんから拍手が。ありがとうございます。

 いやぁ、それにしても。こちらのピアニストさんのあのウットリするような素敵な演奏を聴かせてもらって、何かまた新しい世界を覗いたような気分です。
 こうやって、色んな場所で色んな人の色んな演奏を聴く。これって、新しい発見や気付きもあるし、自分の演奏を見直す大きなきっかけにもなりますね。
 もっと精進せねば、です。



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 先週の立冬から、もう一週間過ぎました。それにしてもまだまだ秋らしくないなぁ、と思っていたら。今週末から随分と寒くなりそうな予報ですね。
 街路や公園のイチョウの葉も、やっと黄色くなり始めたような気がします。これから数週間が、ここ熊本でも紅葉の見頃でしょうか。
 毎日通勤で通る道の街路樹も、毎朝通る度に前日から少しずつ色付いていく変化を見るのが楽しみです。本格的な冬になる前のひと時。この季節ならではの風景を楽しみたいと思います。

 
−an 弾手−

第668回 「黄色いイチョウ並木の下に咲いた、ふたつの花」 [2017.11.21]
 黄色く色付いたイチョウ並木がライトアップの灯りに照らされ、陽が落ちた暗い夜空に浮かび上がっています。ここは熊本県庁プロムナード。
 毎年この時期になると、五十四本(肥後五十四万石にちなんだ数)のイチョウの木が並んだ熊本県庁プロムナードで夜の6時から9時までライトアップが行われます。そしてその幻想的なライトアップのイチョウ並木の下で行われるコンサート。今年で11回目になるらしいですが、私は今回初めて行きました。

 イチョウ並木の通りにズラッと並べられた椅子は800脚あったそうですが、コンサートが始まる頃には全部埋まって立ち見の人も。約1,000人程の観客だったようです。
 特設ステージでは、九州音楽幼稚園の園児の演奏から始まり、益城中学校吹奏楽部によるジャズやラテンの軽快なサウンド、そして今や海外でも活躍する津軽三味線奏者・高崎裕士の軽妙なトークを交えた演奏、中田由美(pf)とセツエリコ(vo)のDuo、大迫淳英のヴァイオリンと続きました。
 中田由美さんとセツエリコさんは10年以上前からペアを組んで「ふたつの花」というユニット名で活動されており、これまで何回も夜のライブハウスなどで拝見していましたが、その日はライブハウスとはまた一味違った夜の屋外、そしてライトアップされたイチョウ並木の下に浮かび上がるステージ。
 ステージのバックには『落葉の物語』というタイトルと『夜空に響く、音と光のシンフォニー』というキャッチフレーズがありました。

 そんな空間で聴くと、同じ音楽でもまた違った物語が見えてくるものですね。音楽って音の芸術であるのは勿論ですが、音だけで完結するものではなく、どんな空間で、どんな場面で流れてくるのか、どんな人達とどんな風に共有するのか、そんな様々な要素が絡み合って様々な物語になるんだなぁと、改めて納得。

 暗い夜空に浮かぶ黄色いイチョウ並木と、その下に咲くふたつの花を楽しませてもらった秋の夜でした。



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ちょっと、ひと言。

 このコラムのバックナンバー、第664回「美術館のギャラリーでピアノ演奏」で紹介しました熊本市現代美術館での私an弾手のピアノ演奏の予定ですが、一応決まりましたので書いてみます。
 12月2日(土)、午後7:00〜7:30、熊本市現代美術館ホームギャラリーです。
 来館した人がゆったりとした椅子に腰かけ、壁面一杯の本棚の本を自由に手にして読むことが出来る静かな空間。正面の壁に掛かった絵画の横にグランドピアノがあります。
 ここでのサラッとしたBGM演奏ですのでライブの時のようなMCやトークもありませんが、この静かな時間・空間に溶け込むような演奏が出来たらと思います。

 
−an 弾手−

第669回 「理論と感情。そのハザマで」 [2017.11.28]
 音楽をやる上において、必ず出てくる理論と感情の関係。というか、これは音楽に限らず、生活の、あるいは人生の様々な場面で出てくるテーマかも知れませんが。

 な〜んて、ちょっと大げさな書き出しで始めてしまいましたが。最近少し気になっている事がありまして。
 先日、知り合って間もないある人からこんな事を聞かれました。
 「an弾手さんって、ピアノの教則本を書かれてるんですか? 大人になってからピアノ始められたんですって? 大丈夫ですか?」
 「え? あ、まあ、はい……」と私。
 「この前、私の知り合いの○○さん(an弾手注:誰の事?)に尋ねたんですよ、an弾手さんってピアノ上手なんですか、って。そしたらその人、『う〜ん……』って言葉に詰まってて。ホント大丈夫なんですか?」
 ……そう言われても、ですね〜。

 勿論、私は小さい頃から正式にピアノやってた訳じゃないし、大人になってから我流で始めて行き詰って、そしてその後、夜の街でコード奏法に出会って、習って、目からウロコで今に至る訳ですが、それでも自分なりにピアノ楽しんでいます。勿論、コード奏法の教則本も(責任を持って)書かせて頂いています。
 でも『ピアノ上手なんですか?』と聞かれたら、私も『う〜ん……』としか答えようがないかなぁ。
 まあ、そういう会話はこれまでもたくさん経験してきて、別に今さらどうという事もないんですが、今回はたまたま熊本市現代美術館での演奏を間近に控えている時期だったので、『大丈夫ですか?』なんて言われてちょっと引っ掛かり、気になってしまいました。

 そんな話を、たまたま別の用件でメールのやり取りがあったプロのピアニストさんに送ったら、すぐにこんな返事が返ってきました。
  『自分にとってネガティブな言葉は、ものすご〜く心に残って気になってしまいますよね。わたしも、いつも怖いです。そんなときは自分のことを褒めてもらえそうな友人から慰めてもらいます。笑
 熊本市現代美術館での演奏もうすぐですね。an弾手さんにぴったりの場所ですね!
 楽しんで行きましょー!』

 そう言って頂いて嬉しかったです! 少し気持ちが楽になりました。
 他にも、私の美術館での演奏予定を知った人達から早速メッセージを頂きました。

 『わー、聴きに行きたい!』
 『(現美の)あの空間が大好きです! an弾手さんのピアノとピッタリだと思います』
 『素敵ですね〜落ち着く空間での演奏♪ 心安らぐひとときになりますね。聴きに行きたいです』
 『カレンダーに入れました。飲み会と重ならないことを祈ります』
 『わぁ!アンダンテさん!すごーい 大活躍 頑張ってくださいね スケジュールチェック! 行けたらいいなぁ〜』
 ………

 本当にありがたい事です。皆さん、これまでどこかで私のピアノを聴かれたことがあって、正式なピアノ演奏の評価基準からしたら、私の演奏など『???』の世界だというのはよくご存じだと思うのですが、それでもいつも熱心に、にこやかに、耳を傾けて頂いて私の大きな気持ちの支えになっています。
 もちろん、単に自己満足に陥るのではなく、マズイ所は「ここがマズイ!」ときちんと指摘を頂き、自分の課題に気付いてそれをクリアするための努力をしていくことは重要ですが、どこがどうマズイ、という理論やテクニックの部分と、音楽の世界で自分の気持ちをどう表現していくか、という感情の部分のバランス認識が必要ではないかという気がします。

 まあ、今回たった30分のBGM演奏ではありますが、ちょっと新しい事に踏み出そうとすると、色々な感情の起伏や気付きに出会えるものですね。

 ところで余談ですが、読者の方でピアノを練習されている方、これからやろうかと思われている方、技術やテクニックの事で悩まれたり苦労されることもあろうかと思いますが、そこだけに意識が向いてしまうのではなく、音楽の中で自分なりの感情表現をどう広げていくか、という部分にもしっかり気持ちを向けられたらいいかと思った次第です。

 (注:私の熊本市現代美術館での演奏予定は、前回のコラム第668回の「ちょっと、ひと言」に書いています)



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

さてさて早いもので11月も明後日で終わり。今週末からは師走ですね〜
昨日あたりから気温は少し穏やかになってますが、週末からはまた寒くなりそうです。今年はずっと暑さが続いて秋らしい秋もなく、いつの間にか12月と言われても何だかピンときませんね。忘年会の予定も幾つか入ってはいますが、まだ何となくそんな気分でもないんですけどね。
 あっ、年賀状の準備まだだった! ちょっと焦らなきゃ〜

 
−an 弾手−

第670回 「やってみたらまた新しい出会いが。現代美術館でのピアノ演奏」 [2017.12.5]
 シーンと静まり返っています。落ち着いた広〜い空間。20人程の人が、ゆったりとした椅子に腰を掛け、本を広げたり静かに目を閉じたりしています。時々聞こえてくる、コホンっという小さな咳や服のこすれるかすかな音。
 やがて、ピアノの上に置いた小さなデジタル時計の表示が、6:59から7:00に変わりました。鍵盤の上に置いた指を静かに動かし始めます。演奏の開始です。
 熊本市現代美術館ホームギャラリー、ピアノデビューの瞬間でした。

 いやあ、緊張しました〜。これまで人前ピアノと言えば、おおむね夜の街のライブハウスとかクラブとか、あるいは昼間のレストランにしても、皆さん飲んだり食事したりオシャベリしたりされている場所。
 また、自分のライブの場合はそのライブを聴きに来ている人ばかりで、何となく気持ちが通じ合った空気感の中で演奏が始まるのですが、今回は何の用事でそこにおられるのかも分からない人達が、シーンとされている中での演奏、初めて経験する雰囲気でした。

 また、演奏時間が7:00から7:30と決められていたので、ピッタリに始めてピッタリに終わる、というのを自分の課題にして準備しました。
 事前の練習、及び本番での演奏に使った演奏タイムリストがこれです。
 (演奏曲目は、洋楽スタンダード系8曲、私のオリジナル曲・そよ風の微笑み1曲の計9曲です)



 左端の時間は、その曲(イントロ)を弾き始める時間。右端の時間は、即興的なアドリブイントロ(コード進行メモ)の時間と、それに続く曲の演奏時間です。
 例えば、最初のダニー・ボーイはイントロと曲を合わせて4分00秒、スター・ダストはイントロなしで曲のみ2分20秒、ベニスの夏の日はアドリブイントロ50秒、曲が3分10秒、という具合です。
 これらは、事前準備の時に、まずそれぞれの曲を弾いてみて時間を計り、それを合計して30分の中で余った時間を各曲間のアドリブ部分に割り振って、最後が7時30分ちょうどに終わるように調整したものです。リストでは最後の終了時間が計算上7時30分30秒になっていますが、これは本番で30秒以内のプラス、マイナスが出ても、時計の表示としては7時30分ちょうど(7時30分00秒から7時30分59秒以内)で終われるようにしたものです。
 この表を基に、事前に自分なりに何度も練習(リハーサル)をやってみて、ピッタリ7時30分に終われるのを確認しておきました。
 そして本番でもこのタイムリストを譜面立てに置いて7:00ちょうどに演奏を開始し、最後の曲・タミーの最後の音が鳴り終わった時、ピアノの上のデジタル時計は予定通り7:30を表示していました。よかった。

 って、時間の話ばかりしていますが(笑)
 タイトルの「新しい出会い〜」はどうなったのか?
 それはまた話が長くなるので、次回(12月12日更新予定)に続く、ということで〜。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 あー、遂に12月突入ですね。つい先日、もう10月になった〜って思っていたような気がしますが。
 年齢とともに時間の経つのが速く感じられるようになるのは仕方ないとして、まあ、たまには「今日はまだ○○時間もある。色んな事がやれるぞ」と思ってその時その時を楽しんでみたいものですね。
 さて、今日はあと何時間、たっぷり楽しもうかな。

 
−an 弾手−
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